狂人じみたにわか殺し屋たちの猛攻から、犯人の命を守る任務を帯びたSP(セキュリティーポリス)たちの死闘を描く映画が「藁の楯」(三池崇史監督)だ。
凶悪犯・清丸国秀(藤原竜也)は、いたいけな少女を乱暴した挙げ句に殺害した許されざる者。
名前こそ「清」で、演じている藤原竜也もけっこう芸歴長いにも関わらず八重歯が少年のようではあるが、名前や見た目に騙されるなという好例が清丸。
ヤツ(清丸)は、全く反省の色を見せないし、たまにかわいい子ぶったりするけどすぐ豹変し、少女好きで妙齢の女性に敬意なし。基本的にすべての他人をなめている。ひとっつもかばう要素がみつからない。人間のクズなのだ。
ところが、このクズの命を守れと国からの業務命令を受けた人たちがいた。
SP銘苅一基(大沢たかお)、白岩篤子(松嶋菜々子)である。
SPとは、その名をつけた映画にもなって一躍注目された「セキュリティーポリス」、要人を警備するスペシャリストだ。
清丸が潜伏していた福岡から東京の警視庁へ無事に送り届ける使命を帯びた銘苅と白岩は、警視庁捜査一課の奥村武(岸谷五朗)、神箸正貴(永山絢斗)、福岡県警のたたきあげ刑事・関谷賢示(伊武雅刀)とともに、清丸のために体を張る。
なぜ、こんなことになったのか。
極悪人・清丸に孫娘を殺された大富豪・蜷川隆興(山崎努)が、彼を殺した人に莫大な賞金10億円を出すという広告を新聞に掲載したことによって、日本中から清丸を殺そうとする人々が湧いてきたのだ。