そのような状況のフランスで近年、問題になっていることがある。シラミ駆除薬に耐性を持つシラミが増えているのだ。仏ル・ポワン誌によれば、パリでは30%以上のシラミが、一般的に使われているシラミ駆除薬に耐性を持つという。

日本にとってもシラミ被害は対岸の火事ではない。第二次大戦後、日本ではGHQが、衣服に付くコロモジラミが媒介する発疹チフス防止のため、駆除薬DDTを大量散布した。このためコロモジラミとアタマジラミの感染者は、日本でほぼいなくなった。

しかし、DDTは1971年より残留毒性が問題で禁止になった。一方でシラミを知らない世代が増え、気付かないうちに感染が拡大するケースや、海外との行き来が活発になり、シラミをもらい帰国する人も多くなった。そして日本でも、フランスのような現在ある駆除薬に耐性を持つシラミが増えてきた結果、シラミは日本でも増加傾向にあるという。
(加藤亨延)