本書は、同名タイトルのブログがWEBマンガを発掘して書籍化する宙出版の「第9回ネクスト大賞」期待賞を受賞し、書籍化されたものだ。トーンは使わず、おそらくペンだけで描かれた荒削りの絵だが、内容にぐんぐん引きこまれる。
ある日の朝、雨宮鬱子が出勤しようと家のドアに手を伸ばすが、その手が震える描写から始まる。なんとか電車に乗るも吐き気がひどく、途中の駅で嘔吐。翌朝は家で吐いて会社を欠勤。それ以外にも食欲がほとんどなく、夜になると「こわい」という思いに襲われパニックになる。何がこわいかというと「休んだら課長になんて言われるか」。この課長が何ともいえない曲者なのだ。
43歳独身の女性課長は、一見「飾らない」「男っぽい」「さばさばした」性格だ。しかし鬱子の前では豹変する。例えば彼女が嘔吐で遅刻をした時は、経緯を一分単位で尋問する。仕事でミスをした時は「アンタの言うことは訳わかんないのよ」と言いながら頭をかきむしる。飲み会の席では既婚の鬱子に「ヒヨッコのくせに結婚して」「器用だったらもっと仕事できてるはずよね」「そのダンナ(中略)甲斐性なしじゃないの?」とズバズバ。当然ながらそんな課長をちっとも尊敬できない。
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