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今夜金曜ロードSHOW「ゲド戦記」は本当に駄作なのか?

ところが、
“宮さんという人はすごい人で、そういったことを自分が忘れちゃうんですね。それで、映画を見たときに『シュナの旅』だったから驚いている。なんなんだこの人は、と思って。自分でいったことを忘れてる、あれ”(鈴木敏夫『風に吹かれて』P216)

アニメ『ゲド戦記』は、『ゲド戦記』3巻「さいはての島へ」に、1巻「影との戦い」の要素を加え、さらに宮崎駿『シュナの旅』をミックスして、作られている。
ただ、それらのどの作品にもない完全にアニメ『ゲド戦記』だけのオリジナルなシーンがある。
それは、タイトルが出る前に描かれる部分。
王子アレンが、王様を殺すエピソードだ。
この作品の異様なところは、このエピソードが、タイトル以降、ほぼまったく語られないことだ。
王様が殺された後の王国の様子もまったく描かれない。
王を殺し逃亡した王子に、追手を放った様子も描写されない。
王子が王を殺した理由も判然としない。
王様は良き王として描かれていて、王子は、完全に、犯罪者であり、物語的に「悪役」だ。
ふつうの作劇なら、事情が描かれ、主人公に感情移入できるように仕向けるだろう。
だが、それをしない。
「わからないんだ。どうしてあんなことをしたのか」
「…お父さんにひどい事されたの?」
「いや父は立派な人だよ。ダメなのは僕のほうさ。いつも不安で自信がないんだ。なのに時々自分では抑えられないくらい凶暴になってしまう。自分の中にもうひとり自分がいるみたいなんだ」と、アレンとヒロインのテルーが語るシーンが中盤にあるのだが、これでは、ただの「キレてしまった少年」だ。
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