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オーバーオールの田辺聖子、絵筆を走らせる村上龍……作家の意外な一面『芥川賞・直木賞150回全記録』

賞にその名を冠された作家のうち、芥川龍之介の作品はいまでも読み継がれているのに対し、残念ながら直木三十五は作品が読まれているどころか、知名度もいまひとつだ。「直木三十五追憶」では、彼と親しかった川口松太郎(1935年上半期、第1回直木賞)と、文藝春秋の社員として芥川賞・直木賞の事務作業にかかわったのち作家となった永井龍男(1958年~77年には芥川賞選考委員も務めた)によって、その知られざる横顔が語られている。

「賞ハ世ニツレ……」は芥川賞設立以来、昭和の各年代(昭和10~60年代)から一人ずつ受賞者が参加して、受賞の頃といまを語ったもの。とりわけ吉行淳之介(1954年上半期、第31回)と石原慎太郎(1955年下半期、第55回)とのやりとりがスリリングだ。対談中、石原は吉行に対しときおり挑発的な発言をぶつけたりしているのだが、それというのも当時芥川賞の現役の選考委員にして芸術院会員でもあった吉行を、文壇の代表と見なしてのことであった。そのやりとりからは両者の文壇でのポジションや文学観の違いなどが垣間見える。

「芥川賞委員はこう考える」と「直木賞のストライクゾーン」は、それぞれ記事掲載当時の芥川賞と直木賞の選考委員が会した座談会(ただし前者では安岡章太郎と遠藤周作が病欠)。前者は、当世の若い作家たちを勉強が足りないとばっさり斬って捨てたり、かなり辛口の内容となっている。そこでの水上勉の《芥川賞は一年に二遍もあるのに十年に一遍しか出んようなものを求めてるんじゃないか》

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