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トンネルは芸術的な失策なのか『プロ野球[呪い]のハンドブック』

その内訳を見ると、トンネルした選手の数は20名ではなく19名、つまり2回もやらかした選手がいる。その選手とはドラゴンズのルナ(石原さとみ似と評判)だ。1回目は4月21日の横浜スタジアムでの対ベイスターズ戦、2回目は7月3日の本拠地・ナゴヤドームでの対カープ戦。後者の試合では、8回1死一塁の場面で菊池涼介がサード正面へ放った強い打球が、ルナの股間をきれいに抜けていった。

《そう、きれいなのだ。滅多に観られないプロのトンネルは、貴重かつきれいなものである。ゴロをグラブではじく、フライを落球する、はたまた悪送球になる、そういったエラーに比べたら、トンネルというエラーはよほどきれいで美しい》

この記事の執筆者は、《貴重できれいで美しいという意味において、「トンネルは芸術的な失策」といえるのではないか》とまで書いている。そんなふうに言われると、トンネルを見たくなってくるから不思議だ。ちなみにトンネルは、屋外の天然芝球場で発生することが比較的多いという。事実、昨季でいえば最多のマツダスタジアムで4回、ほっともっと神戸で3回、甲子園球場では東京ドームと並び2回生じている。となると、トンネルの原因には芝のコンディションやら天候やら、選手にはどうにもならない部分もいくぶんかはあるのかもしれない。

思えばプロ野球における呪いとは、選手がふいに弱みをあらわにしたところへ、人の手ではどうにもならない条件が合わさって生じるものが多いような気がする。言い方を変えるなら、そんなどうにもならなさそうなものに人間がぶち当たるときにこそ(それに対し克服する、挫折するとにかかわらず)、人々を魅了するドラマが生まれるのではないか。今年もまた魅力あふれるプレイが見られることを祈って、まずはプロ野球開幕、祝ってやる!

『別冊野球太郎 プロ野球[呪い]のハンドブック 2014年球春号』目次
*第1章 [呪い]だらけのプロ野球12球団観戦ガイド ~「呪い」視点で球団の戦力を分析してみた!
*第2章 プロ野球[呪い]の記録集 ~“残念な記録”やジンクスからプロ野球を愛でる!
*第3章 特別講義[呪い]のゲームリーディング ~「呪い」視点でゲームを読み解く方法を公開!
*カープ芸人・アンガールズインタビュー
(近藤正高)

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