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新書は未来を予見していた。講談社現代新書50周年

       
本書でとりあげられた宝塚から、彼の地で独特の文化を吸収しながら育った手塚治虫、さらには同時代の映画や音楽をとりあげた本へと、まるで水面に波紋が広がっていくように関連書が紹介されている。

【現代新書の特色その1】サブカルチャーも早くから“教養”としてとりあげる
それにしても、いまから20年あまり前の既刊として、マンガやSF映画、ロックといったサブカルチャー、ポップカルチャーの本が並んでいるのが、また現代新書らしい。ちなみに『ロック』は1985年、『ビートルズ』(のち『ビートルズを知らない子どもたちへ』と改題してアルテスパブリッシングから復刊)と『スピルバーグ』は1987年、『手塚治虫』は1990年の刊行である。岩波新書や中公新書ではまだ“教養”の範疇に入らなかったようなジャンルも、現代新書ではかなり早い時期から積極的にとりあげていたのだ。

私にとってはとりわけ、中学時代に読んだ『手塚治虫』が印象深い。いま読むと、社会学者である著者の『ジャングル大帝』や『火の鳥』などの作品への評価に疑問を抱かないわけではない。それでも、「時代を切り結ぶ表現者」という副題が示すとおり、手塚の活動の背景に戦後史のさまざまな動きを見てとるその切り口には、少なからぬ影響を受けているように思う。

似たような手法を用いたものとしては、さらに時代を下って、小野俊太郎『モスラの精神史』(2007年)という本がある。同書を読んでいたところ、「モスラ」という作品からこれだけさまざまな要素が引き出せるとは! と驚きの連続であった。

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2014年5月15日のレビュー記事

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