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カラス料理、パイナップルラーメン、タモリ論まで食べつくす。第18回文学フリマで見つけた噂のすごい本

■『別腹 VOL.7』(西荻パラソル日和
『CROW'S』でカラス料理がとりあげられていたのもそうだが、文学フリマで売られている本にはなぜか食べ物に関するものが目立つ。「すきま文芸誌」と銘打った『別腹』の最新第7号でも「食」の特集が組まれていた(発行・編集人は歌人のイイダアリコさん)。
そこではたとえば、“素浪人歌人”の佐藤りえさんの「食と短歌の考現学」と題するアンソロジーが収録されている。これは食にまつわる短歌をあれこれとりあげ、佐藤さんのコメントを付けたもの。それがいちいち面白いのだが、前衛短歌で知られる塚本邦雄の《故郷は百年前に滅びき名物の「うつしよ」と呼ぶ干菓子が殘り》という一首など、その背景にある物語を想像せずにはいられない。
あるいは歌人の佐藤弓生さんのエッセイ「すっぱいパンや焼けこげたパンの話」では、『アルプスの少女ハイジ』に出てくる「黒いパンと白いパン」をとりあげている。《その十九世紀の物語世界において黒パンと白パンは、貧富の差のシンボルでした》という一文からは、昔の日本でも麦などの入った雑穀飯と白飯が貧富の差を象徴していたことを思い出した。ビタミンの含有量でいえば白パンより黒パンのほうが多いというのも、麦飯と白飯の関係と重なる。
このほかにも『別腹 VOL.7』には、文学作品をはじめフィクションのなかの食べ物が続々と登場する。読んでいるとたいていは食欲をかき立てられるのだが、そのなかにあってブルボン小林さんが「アニメに出てくるおいしそうでない食べ物」をとりあげているのが、何ともひねくれていておかしい。あと本書で気になったのは、「ムッシュBBの虹食事典」というコーナーの「パイナップルラーメン」の項に出てきた、《西荻窪のラーメン店『パパパパパイン』》なる記述。そんなふざけた名前の店、あるわけないだろ! と思ったら、パイナップルラーメンともども実在するらしい。ほほほほほんとですか!?...続きを読む

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