ニュース映像でよくみるゴーグルとマスクと雨合羽みたいなもので全身を覆った防護服。あれを着れば、ウイルスを完全に遮断できる。でも絶対安全なわけではない。付けるにも外すにも訓練が必要で、たとえば、ゆるんで隙間があいたらダメだし、マスクを外した後に手袋が顔を触れてもダメだ。
それにこんな重装備を全員に配るわけにはいかないし、着たまま日常生活はできない。だから感染した人や感染したかもしれない人をどこかに隔離して、そこで訓練を積んだ人が防護服を着て看護や治療をすることになる。
・地域
感染した人を全員どこかに閉じ込めてしまえば、それ以上感染は広がらない。今回も感染拡大の中心地リベリアでは首都の一部を封鎖、シエラリオネも軍隊を出動させて感染が多い地域を力ずくで隔離した。
しかしこれはうまくいかない。力ずくで追いやられたら逆らいたくなるのが人の性。抵抗があって死人が出ているし、前から嫌いだった人を「あの人感染してるかも」と密告したり、感染しても隠す人が出てくるかもしれない。ゾンビ映画でも軍隊が出動して住民の出入りを禁止するシーンをよく見かけるが、100%破られる。
だから環境を整えて名乗りやすくして「危ないかも」と思ったらなるべく自発的に、必要ならお願いして、病院や施設に来てもらう。検査して感染していたら隔離する。これが一番だ。「国境なき医師団」は感染拡大の初期から、西アフリカに治療施設をつくって、やってきた人を受け入れて治療に当たっている。