わさビーフなのに、わさび抜き!?
2014年11月、お菓子業界から衝撃の新商品が発売されます。それは、「わさび抜きわさビーフ」！
パッケージには「皆さまのリクエストにお応えして」とあるけど、一体どういうことなのでしょうか。
きっかけはエイプリルフールのネタ投稿
事の始まりは、今年の4月1日につぶやかれた1つのツイートでした。つぶやいたのは、お菓子メーカーの山芳製菓。同社のロングセラー商品である「わさビーフ」は、名前のとおり、わさびのピリッとする風味をきかせた味わいが特徴のポテトチップスです。そのわさびを抜いた新商品という、同社ならではのエイプリルフールネタは多くの反響を呼びました。
それから7カ月……。なんと、本当に発売することが決定！ でもそれって、ビーフ味の普通のポテトチップスじゃないの？
きっかけを作った、同社のTwitter担当者に話を伺いました。
そもそも最初から発売を考えていたのですか？
「もともとは発売を前提に考えられた商品ではありませんでした。
昨年7月にアカウントを開設して、初めてのエイプリルフールに何かやりたいとネタを考えていた時、ふと、『お寿司にはサビ抜きがあるな。もし、わさビーフでわさびを抜いてしまったら……』と思いついたのがきっかけです」（山芳製菓Twitter担当者）
発想の原点はわさびつながりだったのですね。
約4万RTされた告知ツイート。コンマの位置を間違えたので投稿し直そうとしたが、ものすごい勢いで拡散されてできなかったという裏話も
その後、同担当者は、本当に発売したら面白いのではと会社に提案。そこで決定した商品化の条件は、なんと「告知ツイートが1週間で80,044回リツイート（以下RT）される」こと。社名になぞらえてヤ（8）マ（万）ヨ（4）シ（4）としたものの、それまで最も多かったRT数でも約6,000だったので、内心では無謀だと思っていたそうです。
それでも、「今までに見たことのない光景でした」と振り返るほどの勢いでRTされ、最終的には約41,000RTに！ 十分すごい数字ですが、約束は約束ということで、商品化は見送られました。
担当者もびっくり！ まさかの商品化決定
では、どうして商品化することになったのでしょうか？ ウリであるわさびを抜いた商品にGOサインを出すのは、かなり思い切った決断だったのではないでしょうか。
「発売を希望する多くの声を活かしたいと、弊社の企画担当が再度、提案してくれたのです。会社も、お客様やファンの声を無駄にしたくないと商品化を決めてくれました。商品としていけるという確信よりも、期待のほうが大きかったと思います」（同担当者）
発売が決定した時はどう思いましたか？
「もう、驚きでした。Twitterでの皆さんの思いや声が、会社を動かしてしまったのですから。自分の思いがかなったというよりも、協力してくれた皆さんの気持ちに応えられるという喜びが強かったですね」（同担当者）
わさビーフと“わさび抜き”を食べ比べ
まさに「うそから出たまこと」となったわさび抜きわさビーフ。今回は特別に商品を送ってもらったので、通常のわさビーフと食べ比べてみました！
通常のわさビーフ（左）とわさび抜きわさビーフ（右）のパッケージ
通常のパッケージと比べて、わさびを連想させる緑色が薄くなっていて、「ビーフ＆ビーフ味」と表記されています。
それってやっぱり普通のビーフ味では？
気を取り直して開封すると、ポテトチップス特有の香ばしい匂いが立ちこめてきました。すぐに食べたいのを我慢して、ポテトチップスの色合いも比較してみます。しかし、見た目では全く違いがわかりません……。
ポテトチップスの色合いもほとんど変わりません
いくぶん不安になってきたので、食べ比べを始めます。まずは、通常のわさビーフから。
一口食べると、後からわさびの風味がツーンと鼻を刺してきます。
お酒のつまみにもあう絶妙な味わいです。
そしていよいよ、“わさび抜き”をいただきます！
あえて、いかにも辛そうな、少し赤みがかっているものをチョイス。
一口食べると、カリッ！ と音をたて、ビーフの味わいが口の中に広がってきました。そして、すぐに鼻がツーンと……しない。何度食べても、やっぱりしない。でも、ほのかにピリッとする後味のような……。
なんとも不思議なわさび抜きわさビーフの味の秘密についても聞いてみました！
「味わいの特徴であるわさびを抜かなくてはいけないのに、それでもどこか“わさビーフらしさ”を表現しなければならず、商品開発担当者は本当に苦労したようです。実は、わさビーフの辛さの秘密はわさびだけではなく、唐辛子などを混ぜながら表現していますので、そこをうまく活用し、わさび抜きわさビーフの味わいを表現しています」
唐辛子も使って味を表現していたとは驚きです。創意工夫のうえでたどり着いた味なのですね。
最後に、同担当者よりメッセージをいただきました。
「単なるエイプリルフールのうそネタが商品となったのは、ファンの方やTwitterアカウントのフォロワーの方はもちろん、RTしてくれた方、つながりのある公式アカウントの方々のおかげです。本当に感謝しています。
わさびが苦手な方にもぜひ食べていただきたいですし、わさビーフと食べ比べて楽しんでいただければと思います。これからも山芳製菓のSNSでは、おもしろがって、楽しいことを発信していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします」
周りにも配ってみたところ、「何これ！おもしろい!!」「辛いって先入観があるから、意外すぎる」と、かなり話題になりました。皆さんもぜひ、食べ比べてみてください。
（エキサイトニュースTwitter中の人）
■わさび抜きわさビーフ発売情報
11月17日（月）コンビニエンスストアで先行発売
12月1日（月）一般発売（スーパー、ドラッグストア等）
山芳製菓の公式Twitter（@yamayoshiseika）はこちら
