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率直に書く、というのは、勢いで書くことの正反対だ『オリーブ少女ライフ』

率直に書く、というのは、勢いで書くことの正反対だ『オリーブ少女ライフ』
『オリーブ少女ライフ』山崎まどか/ 河出書房新社<br />装幀は名久井直子。表紙写真(斎藤亢撮影)は《Olive》1984年8月18日号から採られた。
昭和の後半は、さまざまな雑誌があらわれた時代だった。雑誌は人々の生活のリズムを作ってすらいた。
発売日を楽しみにしている雑誌がある、という人は、いまでもいるだろう。

〈3日と18日の発売日に、朝一番で駅のキオスクに駆け込んで、「オリーブ」をぎゅっと抱きしめる〉という一時期が、山崎まどかさんの中学・高校時代にはあった。
『オリーブ少女ライフ』に収められた表題作で、同誌とともに過ごした1980年代の中盤・後半を、山崎さんは回想している。
世代が近い読者なら、「そうそう! これあった!」という固有名(店名、ブランド名、人名など)がふんだんに含まれていて、その時代を思い出すトリガー──あるいは「地雷」?──みたいで、とても刺戟的だろう。
若い世代には、そういったさまざまな名前とともに、
〈「ブランド物が買えないとダサい」なんていう感覚は、今のティーンにはきっと分からないだろう〉
といった落差の指摘からも、往時の日本文化を垣間見る体験ができる、そういう文章だ。
同誌の変遷とともに、それにのめり込んだり、そのあと少し冷めたりもした、著者の中学・高校時代のできごとが語られている。
中学校に入ると、さっそくモテに走る(いわゆる「色気づく」というヤツですね)人たちと、それよりは自分の世界を作るほうを重視する人たちに、ゆるやかに分離していくものだ。

どちらかというと後者で奥手だったという著者の前に、《Olive》というステキ文化のいわばポータルが登場したところから、この物語は始まる。

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