人は、なぜもこう「肉」でアガる生き物なのだろうか。ステーキ、ハンバーグ、生姜焼き、鶏のから揚げ……こうした肉メニューへの欲望は、一度芽生えたら最後、それを胃に収めるまで消えることはない。

それじゃあと、お気に入りの店に行くことになるわけだが、肉好きが、肉を食べたくなる度に外食していたら、財布が大変なことになるだろう。となると、家でもうまい肉が食べたい!という願望を抱くのは自然な流れだ。だが、現実には「理想の味」を家庭で再現することは、なかなか難しい。なんせ、舌が記憶しているのは「プロの味」なのだから。そこでつい「家は家、そこそこ食べられればいいではないか」と妥協してしまったりする。

今回紹介する松浦達也の『大人の肉ドリル』は、そうした「うまい家肉」を諦めた人々にとって福音となる一冊だ。プロの使う技法や学術論文をもとに組み立てられたレシピの数々には、肉料理をおいしくするための知恵やテクニックが満載。家庭の食卓によくのぼる定番ものはもちろんのこと、ロースハム、コンビーフ、パテ・ド・カンパーニュといった手の込んだ品々まで、バラエティ豊かな肉メニューが並ぶ。あくまで家庭の台所で作ることを前提に組み立てられたレシピなので、想像以上に敷居は低く、読んだその日にすぐチャレンジできるものが多いのも嬉しい。また、肉(料理)への理解を深めることのできるコラムページは、「なぜそうした手順を踏むのか」という、いわばレシピにおける「理屈」の部分を補完してくれる。理屈がわかれば、他の料理に応用が利くのは言うまでもない。

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