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「麻布学園」が"謎"の進学校と言われる理由

しかしいわゆるエリートだけにはとどまらないのが麻布OBの特徴です。元経産省の“脱藩官僚”古賀茂明氏、中東問題に詳しい東京新聞ジャーナリストの田原牧氏、作家の北杜夫氏、吉行淳之介氏、山口瞳氏、脚本家の倉本聰氏、ジャズミュージシャンの山下洋輔氏、俳優の小沢昭一氏、フランキー堺氏、元松本ハウスの加賀谷くん、漫画家の黒田硫黄氏など一筋縄にはいかない顔ぶれが揃っているのです。

進学校でありながら、変な人揃いの麻布のことを「謎」に思って神田さんの取材は始まりました。中学受験を経験しておらず、私立進学校に関する知識の全くない神田さんが出口の見えないまま始めた取材は足掛け4年にも及んだといいます。その取材をまとめた本書では、受験難関校としての側面、生徒に対する多面的なインタビュー、教師から見た側面など立体的な麻布の姿が浮かび上がっています。

思考プロセスを重視した入試問題、受験にとらわれない名物講義・教養総合の授業、文化祭・体育祭の多額の予算を生徒だけで管理する自治の文化、金髪はおろか七色に髪を染めても何も言われないいささか自由すぎる校風。

そこに描かれている麻布は、確かに“エリート進学校”という語感から得られるイメージとはかなりかけ離れています。初めてその実態を知った人にとっては驚くような内容もたくさんあるかも知れません。

しかし自由で個性的な進学校を紹介している本というだけでは、ここまで多くの人に読まれていることを説明しきれません。本書が多くの人に届いたのは、神田さんが取材を通じて抱いた強い「憤り」が根底にあったからでしょう。...続きを読む

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