宮崎駿4万字インタビュー)
はなから理屈を通そうとしてないのだ。
『崖の上のポニョ』は、映画のダイナミズムや絵の動く楽しさが全開で、展開も大暴走。すごい法螺話か神話のようなものとして受け止めればいいんじゃないかと思う。

Q3:っても、結局、どういう話なの?
A3:すぐれた作品は、作者の意図や、一面的な観方を超えて、多様に受け止めることができる。
だから、それぞれ自由に受け止めて、楽しめばいい。
とはいえ、宮崎駿監督はどういう意図で『崖の上のポニョ』を創りだしたのだろう?

「久石譲さんへの音楽メモ」のなかで宮崎駿監督は、“物語の構造は簡潔です”と宣言して次のように記している。
“海は女性原理をあらわし、陸は男性原理をあらわしています。そのため小さな港町は衰退しています。
海を、男どもの船や漁船がさわがしく行き来していますが、この世界ではもう尊敬さえされていません。しかし、女達もまたおとろえています。海辺でおむかえを待つ老女達、快活であっても船乗りの夫を待って何かやり場のない怒りを抱えている宗介の母。
それでもおだやかに一見安定していたこの世界を、ポニョの出現がかきまぜます。”(宮崎駿『折り返し点1997~2008』岩波書店P493)

Q4:うーん、よくわからないよ!
A4:じゃあ、もうひとつ。
プロデューサーの鈴木敏夫はどう言っているか?
「まあ何しろすっごいシンプルで。最初のうち言ってたのは日本の昔話しですよね。それと『人魚姫』とかがグシャグシャになって、それをどうやってシンプルにひとつのお話にするかですもん。(…)そのシンプルな話を、表現上どうやって、手描きだけで豊かな複雑なものにできるか、そっちに力を注いでいますよね」(鈴木敏夫『風に吹かれて』中央公論社P267)