話は飛んで、芸能界。いつの世にも「この人、本業は何なのだろう?」という人材は数多い。記者も幼き頃はみうらじゅんが何者かわからなかったし、今や西川史子の本業を忘れている人だって少なくないだろう。
私が蛭子能収を初めて目にしたのは『教師びんびん物語』のバーテン役か、TBSの深夜番組『平成名物TVヨタロー』辺りだった。言うまでもなく、彼の本業は漫画家。ガロで名を馳せた頃の氏のイメージは、現在と全く違うものであったらしい。シュールで突飛な発想をする、狂気の天才肌。
しかし、彼は公言する。「テレビの仕事は楽しくておいしい」と。テレビ出演のギャラと比較すると原稿料は格段に安く、だからこそテレビ出演へのモチベーションは異常に高くなる。
だが、本人曰く「私は(芸能界に)染ってない」。
そんな蛭子さんが「芸能界で見てきたお話を描きました」と上梓したのは、『芸能界 蛭子目線』(竹書房)なる一冊だ。
ここで報告される数々の逸話を見ると、確信する。彼こそは、“芸能界に潜入した情報屋であると。
例えば、最近の蛭子能収の相棒といえば太川陽介。太川はゲームが好きで、ギャンブラーとしても名高い蛭子さんをトランプで打ちのめしてしまうそう。そんな彼だが、アイドルを卒業した直後は大変だった。