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日本の作家で国際的知名度がもっとも高いのは誰か

       
明治以降の日本の作家でもっとも国際的知名度が高いのは誰だろう? 日本だけでなく多くの国々でも作品がベストセラーになっている村上春樹かよしもとばななか。それとも、戦後多くの作品が外国語に訳され、ノーベル文学賞の有力候補・受賞者にもなった谷崎潤一郎・川端康成・三島由紀夫・安部公房・大江健三郎のうちの誰かなのか。さらにさかのぼって、森鴎外や夏目漱石といった明治の文豪たちはどうなのだろうか。

一つの指標となりそうなのが、アメリカの世界文学アンソロジーに収録された作品数だ。これは主に大学の講義でテキストとして使われているもので、アメリカを含む世界各国の何十、場合によっては何百もの作家や作品が数巻にわたってまとめられている。実質的に日本の世界文学全集に近いものだ。

比較文学者の秋草俊一郎は、「二一世紀 世界文学カノンのゆくえ」(東京大学出版会の月刊誌「UP」にて2014年6月号より隔月で掲載)という連載の第3回(2014年10月号)において、2002年~04年にアメリカで出版された3種類のアンソロジーに日本の作家・作品がどれだけ収録されているか調査している。アンソロジーのうち19世紀以降を扱った巻を調べたところ、3種のアンソロジーすべてに登場する日本人作家が一人だけいた。誰かといえば、樋口一葉である(各アンソロジーに収録されたのは「たけくらべ」「十三夜」「わかれ道」の3作品)。

続く連載の第4回(2014年12月号)ではさらに調査対象を広げて、1994年から2012年にアメリカで出版された8種類のアンソロジーから、日本人作家の登場回数(作品が収録された回数)を統計している。ここでも一葉が7回登場と断然の1位だ。6回の川端康成がそれに続き、以下、4回の谷崎潤一郎、3回の与謝野晶子・芥川龍之介・村上春樹、2回の三島由紀夫・大江健三郎の順となっている。日本では国民作家と位置づけられ、個人の作家ではもっとも研究が盛んなはずの漱石はまったく出てこない。

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