朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)7月3日(金)放送 第14週「絶対絶命メッセージプレート」第83話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:一木正恵
ケーキ修行がふざけ過ぎてないでしょうか「まれ」83話
連続テレビ小説「まれ」オリジナルサウンドトラック2 音楽 澤野弘之 SMR
7月15日発売予定

83話はお父さんたち大活躍の巻。

徹(大泉洋)は悩む希に、
「2年半待ったって事は それだけの相手って事じゃないのか 圭太(山崎賢人/崎の大は立)は。」とか「2年半は長いよ つらいよ」「よく考えなさい 状況に惑わされないで。」とまとも過ぎるほどまともな助言をします。ハートマークのシャツを着て。徹、夢語るときは星柄、愛情語るときはハート。服をテーマで選ぶタイプ?

圭太は見合いをすることに


そして、もうひとりのお父さん、久々登場の紺谷博之課長(板尾創路)。
82話で圭太が怒ってグルグル部屋を回っていたのを見て、お父さん似? (37話でグルグル回ってた)と思った翌日の登場とは用意周到です。
紺谷課長は圭太に「津村っちゃ思とるがなら あいつの夢 邪魔すんなま。」とズバッと。
「津村の性格 考えてみれま。
お前と結婚したとして 女将やらせんちゅうたかて お前や困っとるが見たら 手伝わんとおられんわいえ。」
希のことをよくわかっていて希のことを思ってる、さすが元上司です。

そう言われた圭太は、見合いをすることにしてしまいます。71話で一子(清水富美加)に、「もっと怒って」「捕まえてといて」と言われた経験がまったく糧になってない! 彼としては「よかれ」と思ってのことでしょうが本当に独り善がり!

圭太が見合いをすると知った希は、その日に休みをとって能登に行こうとしますが、どじっ子・弥生(福田彩乃)が今度こそクビになりそうで、彼女の応援に精を出します。
こう書くと、ハラハラドキドキの展開のようですが、大悟に「クビ」と言われ「私?」とポカンとする弥生の危機感のなさとか、プレートに文字を書く練習を9万9、865回するとか、こんなときでも「俺様のケーキ」とか言って威張ってる大悟とか、「ラスト 9万9848回」と気合い入れているときの練習文字がいくらなんでもひどすぎるとか、「見合い開始まで あと34時間」というやたら大きいテロップとか、すべてにおいて、真剣に見ているのがだらみてえ(方言つかってみました)な気がしてしまいます。
まじで「お笑い朝ドラ」目指しています? 83話冒頭で「結婚っちゃ何け?」と問う希に「俺に聞く?」と応えた徹にほんのちょっとカメラが寄って、オープニングがはじまるという流れも、大泉洋のリアクションは巧いなあと思います。でも、コント番組みたいなノリはそれほど誰も朝ドラに求めてない気がするのに、なんでそんなにそこに向かおうとするのかさっぱりわかりません。


今日の、勝手に名言


「ダラダラ恋愛しとる時間 もってえねえげさけ。」(一徹〈葉山奨之〉)

圭太に共感するという一徹に、ピクリ!となるみのり(門脇麦)
結婚というものを合理的に捉える男と、ロマンをもっている女の違いがここに。男の大半は、嫁に自分の世話をさせて自分は仕事をはじめ好きなことしたいっていう考えから結婚を急ぐんですね。
希と圭太はそういうのじゃない形を探ってほしいです。

今日の、深読み


急に、圭太に塗師屋を引き継がせようとしだす弥太郎(中村敦夫)。82話で病気? と思わせて、スナックの女の子の見舞いだったことが判明したものの、おまんじゅうを食べながら「まずいなあ・・・」と渋い顔しているのは、やっぱりどこか悪いフラグ? それともこれもフェイク?
(木俣冬)

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いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))