MUCC 想像を絶する発想と予想できない進化 Tour“"Chemical Parade”/レポート

5月22日。始まりは「アカ」。武道館は照明によって深い朱に染め上げられると、轟音のような歓声が彼らを包み込んだ。前日から時代がタイムトリップしたかのように時代が過去へと移ったその場所は、現在のムックを形成した内面が露になった特別な時間となったのだ。バックの巨大なスクリーンも、前日は視覚を刺激する電飾として使用されていたが、この日は、派手な見せ方ではなく、大きな映画館の中でポツリとライヴをしているような空虚感をも感じさせた空間を演出するモノに印象を変えていた。同じセットをここまで違った印象に見せていたのもとても興味深かった。

朱色の振り袖を羽織り中央に立つ逹瑯。その絶対的な存在感は、単に昔をなぞっただけのモノではなかった。この日、ここで演奏された過去曲たちは、紛れも無く彼らを形成してきた真実であったのだが、当時を懐かしく振り返るだけのモノでは決してなかった。そこには、そこから14年という歳月を生きてきた彼らの人生と感情の変化が詰め込まれた“現在(いま)”があった。「盲目であるが故の疎外感」。深い闇を想わすミヤのギターに、SATOちの力強いドラムが絡んでいく。リズミックに転がる上モノとどっしりと構える低音をしっかりと繋ぐ重要な位置を守るYUKKEのベース。太くなったサウンドは当時と明らかに景色を変えていた。「君に幸あれ」「我、在ルベキ場所」「商業思想狂時代考偲曲」、そしてこの日の本編ラストでスクリーンに歌詞が綴られていく中で歌われた「9月3日の刻印」など、葛藤と鬱血した感情が吐き出された唄も、当時とは明らかに景色を変えていたのである。彼らが吐き出していた感情は、当時も今もリアルに胸に突き刺さってくるのだが、まだ人生を知り尽くしていなかった故のリアルな感情は、彼らの精神的な成長によって、より深い意味を宿した感情へと変化していたのだ。蒼い感情は現実という渦に巻かれ、時代とともに形を変え、流れる時間の中でより核心に迫るメッセージとなっていった。
エキサイトミュージックの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

もっと読む

芸能ニュースランキング

芸能ランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る
2011年5月25日の音楽記事

キーワード一覧

エキサイトミュージックとは?

話題のアーティストのライブ情報や最新音楽情報などをお届け。人気アイドルグループや注目アーティストのインタビューなども充実。

その他のオリジナルニュース

通知(Web Push)について

Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら。