成長という名の過ぎ去っていく過去に消されていってしまう感情は、ちゃんと形としてここに残されている。彼らのサウンドが変化しようとも、景色を変えようとも、永遠に変わり続けることなく生き続けるのだと教えられた気がした。この先何年月日を重ねようとも、彼らが過去の曲を封印し歌わなくなることはない。しかし、彼らはきっとその度に、現在の姿で過去の自分たちを唄うことだろう。すばらしく人間らしい生き方だと感じた。
この日聴いたアンコールで届けられた「謡声(ウタゴエ)」「流星」「フライト」は、過去と現在を結ぶ子供から大人への大きな成長を意味する曲たちであったように感じられた。6月9日に新木場STUDIO COASTにて見せてくれるという【Maniac Parade 97~11】。3時間半というムックの歴史と現在が詰め込まれた21日のライヴを成し遂げた彼らが、次に見せてくれるのは、いったいどんな景色なのだろう?