朝ドラもいいけど昼ドラも面白いよ!


エキレビ!」での全話レビューをはじめ、色んな意味で話題を呼んだ『まれ』が最終回を迎え、本日からいよいよ新・朝ドラ『あさが来た』が放送スタート!

主演の波瑠さんが好きなので、ボクも今回の朝ドラにはとっても期待しているんだけど、まあそれは置いといて、そんな『あさが来た』の盛り上がりの影で、本日ひっそりと新・昼ドラも放送スタートするので、そちらを紹介したいと思うのだ。
主婦じゃないボクの心にも響いたドロドロ昼ドラをもう一度! ピース綾部主演「別れたら好きな人」開始
ピース綾部主演の「別れたら好きな人」本日スタート
『AYABE MODE』綾部祐二/ワニブックス(ヨシモトブックス)

そもそも「昼ドラって何?」という人もいるかもしれない。

かつては「ポーラテレビ小説」「愛の劇場」(TBS系)「ライオン奥様劇場」(フジテレビ系)「Lドラ」(東京テレビ系)などなど、いわゆる主婦層をターゲットとしたドラマ枠が各局にあったが、現在「昼ドラ」というと、基本的にはフジテレビ系列で昼の13時台後半に月〜金の帯で放送されているドラマシリーズのこと(制作は東海テレビ)。


まあ時間が時間なので、会社員がお昼休み中に見るという感じでもないし、主婦以外だと登校拒否児か無職、または毎日シコシコ自宅で仕事しているフリーランスな仕事をしてる人じゃないとなかなか見るのは難しい。

……というわけで、朝だけじゃなく、昼にも夜にも再放送をしているNHKの朝ドラよりはどうしても存在感が薄いんだけど、「主婦がターゲット」と絞り込んでいるがゆえに、逆に「主婦が喜んで見てくれるものなら何でもオッケー」ということで、ほのぼのホームコメディから、不倫・強姦・殺人てんこ盛りの超絶ドロドロ展開のドラマまで、なかなかパンチの効いた名作&迷作が生み出されている枠なのだ。

ほのぼの路線でいうと、温泉旅館の仲居さんが主人公の『はるちゃん』シリーズや、湘南の新聞店を舞台にした『貫太ですッ!』あたり。そして、ドロドロ路線の代表作はやはり、「役立たずのブタ!」「狂牛病が心配だからよく焼いたのよっ! あら、コショウが足りなかったかしら……ほい」(不倫をしている旦那に、財布を焼いた「財布ステーキ」を食べさせようとする)などなど、ぶっ飛びまくった名言&ストーリー展開で話題を呼んだ『牡丹と薔薇』だろうか。

「昼ドラ」の醍醐味は何といっても、こっちのドロドロ愛憎劇! 主婦でも何でもないボクの心にも響いたドロドロ昼ドラをいくつか紹介しよう。

思い出のドロドロ昼ドラはこれ!


まずは、『牡丹と薔薇』や『真珠夫人』などでお馴染み、ドロドロ愛憎劇の大家・中島丈博先生が脚本を手がけた『赤い糸の女』

NHKの朝ドラ『ふたりっ子』『だんだん』で、すっかり国民的双子姉妹となっていたマナカナの三倉茉奈(姉)が、女優としての殻を破ってかなり思い切った役柄に挑戦した作品なのだが、処女のくせに友達の婚約者を寝取ってセックスしまくり。
挙げ句「わたしはビオラ。弾いて……弾いて〜ん」(セックスしながら)というのはやり過ぎ! しまいには売春まではじめちゃうし……「何もそこまで殻を破らなくても!」と、マナカナを孫や娘を見る気持ちで見守っていた視聴者達を困惑させた。

今作には『牡丹と薔薇』での怪演が話題となった小沢真珠も出演しており、茉奈ちゃん演じる主人公に嫉妬しまくり、頂点に達すると般若の面を装着して怒りの感情を表現(そういうイメージではなくリアルに)。最後は逆に般若の面をつけた、主人公のキチガイ母に刺し殺されるという壮絶&ツッコミどころのありまくりな役柄を演じきっていた。

続いて、国友やすゆきの漫画原作をドラマ化した『幸せの時間』。国友やすゆき原作という時点でピンとくる人も多いかもしれないが……はいエロです!

初回放送でいきなり、田中美奈子演じる主人公に旦那(西村和彦)がクンニ&正常位。
不倫相手とは立ちバック。さらに、その息子は自室でエロ本見ながらオナニーと、真っ昼間に地上波で放送しているとは思えないドエロシーンが続出。

その後も、2個のおにぎりからおっぱいを妄想しペロペロしちゃうド変態な花屋さんに主人公がレイプされたりと、エロボルテージは上がる一方で、「こりゃーレジェンド級のエロドラマ来たぞ!」と期待に胸&股間を膨らませてウォッチしていたのだが、さすがに行きすぎていたようで、放送倫理・番組向上機構(BPO)から指導が入り、後半は急速にエロ表現がマイルドになっていた。ズコーッ!

そして忘れられないのが、2012年の夏に放送されていた『ぼくの夏休み』

甘やかされて育った現代っ子の兄妹が、突然戦時中の日本にタイムスリップしてしまい、ゲームも携帯も食べ物もない時代で力を合わせ、たくましく生き抜いていくというストーリー。夏休み時期の放送でもあったので、子どもたちが苦労を乗り越えて成長していくドラマなのかな? ……と思いきや、戦後編になってから話は急展開! 青年となった兄は麻薬の売人、妹はパンパン(売春婦)になっていたのだ。
うーん、「たくましく生き抜いていく」って、そういうことか!?

最終的にはこの兄妹が近親相姦の泥沼にハマッていき、結局元の時代には戻れないままエンドという、見事なドロドロ超展開ドラマとなっていた。

エンディングのスポットでは「家族の思い出写真館」ということで、視聴者からの家族写真を募集し、紹介していたのだが、『ぼくの夏休み』というほのぼの系のタイトルと、前半での子どもたちのがんばりドラマにつられて写真を応募してしまい、後半、ヤクの売人&パンパンが大変なことになっているドラマのエンディングで家族写真を紹介されてしまった家族はどういう気持ちだったのか……!?

妹役を演じた有村架純的にも、はやく忘れたい黒歴史になってるんじゃないかと思われる『ぼくの夏休み』だけど、ボクはずっと忘れないぞ!

新・昼ドラ『別れたら好きな人』にも注目


ほら、だんだん「昼ドラ」に興味持ってきたでしょ?

……というわけで本日から放送スタートする新・昼ドラ『別れたら好きな人』(フジテレビ系・月〜金曜13:25〜)。

主人公にピースの綾部祐二。5年前に別れた元妻役が白石美帆、離婚しそうになっている現妻役が元・AKB48の秋元才加と、キャストだけを見るといかにもコメディ路線のドラマという感じで、そこまでハードな展開は期待できなそうだが、過去にはジャニーズJr.の高田翔くんにワッサリとした胸毛を付けさせて「毛深いの……嫌いっすか?」と、年上女性に迫らせたりと(『天国の恋』)、無茶なキャストに無茶なことをやらせてきた「昼ドラ」だけに、今回もどんな展開が待っているのか油断は禁物だ。

番組ごとにノリがかなり変わる「昼ドラ」なので、新番組がはじまったら1週間は見てみて、それから継続視聴するか、見るのを止めるか決める……というのがオススメ。昼間、ちゃんと仕事をしている人はとりあえず1週間録画してみよう。


ここんとこコメディ路線の昼ドラが続いているので、個人的はそろそろガツンとインパクトのあるドロドロを期待したいところ。はたして『別れたら好きな人』は継続視聴ドラマになるのか……!? 
(北村ヂン)