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「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」 名曲のあまりにも大きすぎた影響とは

大プロデューサーとして君臨していたクインシー・ジョーンズでさえ、白人に対して強烈な目配せをしている。「We Are The World」をプロデュースした時も白人も乗りやすい「シンプル」な「8ビート」にこだわり、「ファンキー」になりすぎないよう細心の注意を払っていたというのだ。

「『We Are The World』は黒人の座組に白人が乗っかったという珍しい形なんです。だからクインシーは黒人と白人の融和を第一に考えていました」

ソロパートも黒人12回に対し、白人13回とほぼ半々のバランスで構成されているという。しかし1985年には、もう黒人アーテイストが白人に迎合しなくてはならない状態は終わっていた。西寺氏の 『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』(ビジネス社)に詳しいが、その3年前の1982年にはマイケルが独自色を全面に打ち出した『スリラー』を発売し、今日に至るまで1億500万枚という空前絶後のセールスを記録して白人至上主義の時代を打ち破っていたのだ。
「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」 名曲のあまりにも大きすぎた影響とは
『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』(ビジネス社)。2009年マイケル・ジャクソンが急逝を遂げた際、西寺さんが一気に書き上げた一冊。 パフォーマーとしてのみならず、作曲家プロデューサーとしてのマイケルの非凡さと魅力を世間に再認識させた。

しかし厳しい差別と戦いながら音楽業界で生き抜いてきた「旧世代」のクインシーは「We Are The World」では、主導権を握りながらも人種の壁を越えたオールアメリカにこだわるのだ。西寺氏はその状態を「アメリカン・ポップスの青春、つまり若き理想に満ちた季節」(前掲書)と呼ぶ。

それは「We Are The World」という熱狂の形で結実するも、青春には終わりが訪れる。
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