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漫画家にとって自分の右腕、左腕を切り落とす行為とは…赤塚不二夫が凄い理由

       

パロディとして秀逸


さて、『天才バカボンの時代なのだ!』である。
全体は3部に分かれており、巻頭には現在のフジオプロスタッフである吉勝太によるパロディ漫画『新作・天才バカボン』が置かれている。バカボンのパパが実はギャグの才能がなく(赤塚先生がゴーストを務めていたのだ)、バカ田大学ゴーストライター研究部のアラガキを代わりに雇ってギャグを演じるという内容である。赤塚先生が存命ならやりそうな遊びが盛り込まれており、パロディとしては秀逸だ。

しいやみつのりは4本の新作を書き下ろしている。その中で注目は「下落合焼とりムービー秘話」だろう。ピンク映画監督だった山本晋也が初めて監督した一般向け映画である同作は、赤塚がジョン・ランディス監督作の「ケンタッキー・フライド・ムービー」に影響を受けて製作した珍作で、タモリ、所ジョージ、たこ八郎、柄本明など当時赤塚と親交のあった人々が大挙して出ている。また、「元・担当小林記者 呑んで笑って40年」も個人的にはたいへん興味のある1編だった。

黄金期の赤塚を支えた3人の編集者がいる。前述の少年マガジンのイガラシと少年サンデーのタケイ、そして少年キングのカネさんこと小林鉦明である。3人の中では『おそ松くん』『もーれつア太郎』『レッツラゴン』を担当した武居がもっとも古株である。サンデーの担当記者は代々、ネームの会議にも参加してアイデアを出すのが慣習になっていた。その究極の形が、ネームを作ることさえ放棄し、武居とのアドリブのやりとりをそのまま下書きとしていたという伝説の作品『レッツラゴン』である。後続の五十嵐はそのやり方がサンデーとの蜜月関係を作っていると見抜き、自分もネーム会議に参加するようになる。どちらかといえば控えめな性格だった小林は、しばしば武居と五十嵐のわりを食わされる役回りだったという。

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「漫画家にとって自分の右腕、左腕を切り落とす行為とは…赤塚不二夫が凄い理由」の みんなの反応 1
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    こんにちは。宜しくお願い致します。 桂米朝、立川談志の弟子にこれと言うのがいないのと同じく、赤塚氏も同様。ギャグのキレもそうだが、優しさがない。北見、高井、古谷各氏の女性キャラには魅力がない。

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