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漫画家にとって自分の右腕、左腕を切り落とす行為とは…赤塚不二夫が凄い理由

       
──キングの仕事は、いつも週末だ。赤塚の疲れもピークに達している。遊び人のあだち(勉。充の兄で、フジオプロのチーフを努めた。故人)が、フジオ・プロに麻雀卓を持ち込んだ。土曜の午後、赤塚は、麻雀に加わっている。腕時計を見てカネさんが、いつものような笑顔を浮かべて言う。
「先生、今、キング落ちました」
赤塚は、麻雀の手を休めずに、
「それなら、もっと早く言いなよ」(赤塚不二夫のことを書いたのだ!!)

もちろん、こうしたキツい一面ばかりが書かれているわけではない。赤塚はスタッフや編集者に対する思いやりを忘れない、優しい人だった。その証拠に、古谷や高井、北見らを独立させて見事に一本立ちさせている。以前にも引用したと思うが『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』の大好きな文章を引用する。

──赤塚は、自分のアシスタントを次々に一本立ちさせる。それは、すなわち自分の作品を痩せさせることだ。右腕を、左腕を切り落としているのと同じだ。アイデアが薄まり、絵が枯れていく。赤塚にも、それが判っている。判っていながら、それをやる。僕は、それを見ていて、本当に立派だと思う。人の道に外れていないと思う。

『天才バカボンの時代なのだ』所収の「ミネ松くん」では峯松孝佳こと吉勝太が、自身がチーフを務めた1987年当時のことを振り返っている。アニメ「天才バカボン」の再放送をきっかけにフジオプロの仕事は増え始めた。「おそ松くん」他のリバイバルした作品が「コミックボンボン」などに連載されるようになったのだ。しかし、それらの名作を生み出したスタッフはすでにいない。

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「漫画家にとって自分の右腕、左腕を切り落とす行為とは…赤塚不二夫が凄い理由」の みんなの反応 1
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    こんにちは。宜しくお願い致します。 桂米朝、立川談志の弟子にこれと言うのがいないのと同じく、赤塚氏も同様。ギャグのキレもそうだが、優しさがない。北見、高井、古谷各氏の女性キャラには魅力がない。

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