藤巻亮太 話題のCM曲を両A面でリリース。大切な人をまもりたい…/インタビュー

 
藤巻亮太 話題のCM曲を両A面でリリース。大切な人をまもりたい…/インタビュー

■藤巻亮太/New Single『大切な人/8分前の僕ら』インタビュー全文(1/3)

共通のテーマで貫かれた両A面シングル

ニベアブランドのTVCMソングとしてオンエア中の「大切な人」。そして、ネスレKIT MUSICの第一弾ソングに抜擢された「8分前の僕ら」。藤巻亮太が放つ両A面シングルを飾るこの2曲は、ある共通のテーマに貫かれている。それは、人生という限られた時間のかけがえのなさを自覚し、その時間を、大切な人と共に密度高く過ごすことである。身近な人との繋がりを慈しむような2曲の温かい眼差しと、対比的ではあるが、最新曲だという打ち込みを多用した3曲目「wonder call」が示す思い切り突き抜けたテンションから、藤巻の心の現在地をまざまざと感じ取れることだろう。レミオロメンの活動休止、ソロ始動から早4年近くの時が流れた。“ソロとは? バンドとは?”という苦悶の自問自答を経て、今の藤巻は、あらゆる“線”を自在に乗り越える軽やかさを手にしたようだ。
(取材・文/大前多恵)

自分の声に期待してくださる方の想いが純粋にうれしかった

――「大切な人」は、<まもりたい>というストレートなフレーズが、音と言葉が完全に合致したパワーで心に響いて来ます。

藤巻亮太(以下、藤巻):この曲はCMのためにワンコーラス既にできていて、僕がボーカリストとしてオファーをもらった初めての曲なんですね。レミオロメン時代からもそうなんですけど、自分達で作って歌ってという経験しかなかったから、「自分の作った曲じゃないものを歌うというのはどうなんだろう?」と最初は思いました。でも、「これは僕にとってチャレンジになるんじゃないかな?」と考えて、お引き受けしたんです。自分の声に期待してくださる方の想いが純粋にうれしかったですし、聴かせてもらったこの曲のインパクトも強くて、曲も素晴らしかったので、「やらせていただこう」と。自分の中で、「こうじゃなきゃいけない」「こうあるべきだ」という縛りを少しずつ減らして行くのが今のソロ活動のテーマでもあるので。最初はCMの約1分のバージョンだけがあったんですけど、それ以降は僕に任せていただいて、今の3分40秒ぐらいの形に仕上げましたね。

――今までにない作り方で難しさはなかったですか?

藤巻:ありましたよ。一番大変だったのは歌詞で、ワンコーラスだけあった段階では、“君とこうしていたいんだ”“まもりたいんだ”という願望が歌われていたんですけど、1曲にした時にはやはりその背景が見えて来ないと、(聴いた人が)歌詞の世界観に入って来れないんじゃないかな?と思ったんです。そこから、「じゃあ、どういう時にそう思うのか?」と自分なりに想像した時に、“まもりたい”の背後にはきっといろんな想いがあるだろうなと思って。例えば、何かを交わし合ったり、分かち合ったりしたい。だったら、それは誰としたいんだろう?と考えていくと、やっぱり、大事な人、大切な人としたいわけで。“雪”という言葉を使ってみたのは、それが永遠にずっとある関係性かどうかは分からないんだけど、限られた一緒に過ごせるこの時間をいいものにしたいねという想いを、書きたいと思ったからなんです。

――ミュージック・ビデオも拝見しましたが、暗闇の中で誰かと内なる光を交わし合うというイメージが伝わってきました。

藤巻:その相手は、例えば恋人でもいいだろうし、友達でも家族でもいいだろうし。「大切な人は誰ですか?」と聞かれた時に思い浮かぶのは、皆さんそれぞれにとってのいろんな関係性の人だと思うんですよね。だから、大きな世界観として、“大切な人”を歌えたらいいなと思っていました。

――藤巻さんにとって“守る”とはどういう行動を指すんでしょうか? 例えば、相手を信じるとか、守り方もいろいろあると思いますが。

藤巻:守るというのはきっと、その存在がそこにあるということを認めてあげるとか、証人になってあげるとかいうことじゃないですかね? “愛する人に対する最高のプレゼントは空間だ、スペースをあげることだ”という言葉があって、僕はそれがすごく好きで。悲しみを抱えていて自分のスペースだけでは苦しい時に、「僕のこのスペースも使っていいんだよ」と言ってあげることもそうだし、はち切れんばかりの“楽しい”という気持ちを、「僕のこのスペースの中でも循環させていく」とか。大切な人にそういう気持ち的な空間をあげられたら、それはきっとすごく豊かなことなんじゃないかな?と思うんです。それは、辛いことから“まもる”ことになるかもしれないし、分け合う何かを“交わす”ということになるかもしれないし。愛情というのは、そういうスペースを大事な人にどれだけ与えられるか?だと思うんですよね。そうやって与えた分、自分自身も一人では見えなかった世界を見ることができるわけだし、それってとても大事なことだなと思います。

――スペースを共有し合うという感覚はとても素敵ですね。

藤巻:それは僕のソロ活動にも通ずる考え方なんですけど、スペースがないとそこに風も通らないし、大きな循環も起こって行かないし、遊べないんですよね。ソロだからとかバンドだからという仕切りがあるとどんどんスペースが狭くなって、息苦しくなって来るんだと思うんです。そういう“線”を消すことが音楽の力なのかも知れないのに、それを作っている自分自身が“線”に縛られていると気付いて。2015年はその“線”を消して行くのが一つのテーマだったかもしれません。僕は5月にリリースしたミニ・アルバム『旅立ちの日』以降のライブでは、レミオロメンの曲をよく演奏するようになって来たんですね。自分自身が“ソロらしさ”“レミオっぽさ”と分けて考えていた部分がすごくあったんだけど、「あ、そういうの、もういいかな」と思えて。どの曲も自分が作ってきたわけだし。そうやってライブで歌うことで、「これからもっと曲を自由に作っていこう」とも思えるようになっていったんですよね。

藤巻亮太 話題のCM曲を両A面でリリース。大切な人をまもりたい…/インタビュー
大切な人/8分前の僕ら【初回盤】

自分の近くにいる人ってきっと鏡のような存在だと思うんです

――「8分前の僕ら」は、以前からライブで披露されていましたが、『キットカットネスレシアター』とのコラボレーション楽曲として今作に収録されたんですね。

藤巻:この曲は元々ライブでも歌っていて、僕にとって大事な曲だったんですけど、冬にピッタリな曲だと思うし、「大切な人」ともテーマが通じていると思ったんですよね。太陽の光というのは8分後に地球に届くので、「僕たちが見てる光は8分前の光なんだな」と。「じゃあ8分前は何してたかな?」とか「8分後はどうなってるんだろうな?」とか、時間軸をズラして捉えることで、“僕ら”の関係がまた違う方向から見えて来るんじゃないかな?と思ったんです。今日と同じ日が明日も続くんだろうなと思いながら生きてるかもしれないけど、もしかしたら一秒ずつ減って行くのが人生かもしれない……そう考えた時に、やっぱり“今”という日々の時間はかけがえのない、限られた時間なんですよね。だから、時間の密度を上げて濃く生きて行きたいし、大切な人と共にその時間を過ごせる喜びを歌にできたらいいなと。作った時期も全然違うんですけど、それは両曲に通じているテーマなんです。俯瞰で歌っているのが「大切な人」で、より日常の中に溶け込んでいるのが「8分前の僕ら」じゃないかな?と僕は思っていて。その2曲の組み合わせで、今の藤巻亮太というものを伝えられるんじゃないかと今回は思ったんですね。自分が自分を取り戻して行くために内面世界を歌っていたのが「ing」や「旅立ちの日」だった気がするんですけど、次はそういうことを超えて、もっともっと肩の力を抜いて日常的な歌を作っていく、開かれて行く側面を見せられる2曲になったと思っています。

――“今”しかないから自分の好きなことに没頭するのではなくて、そこに他者が存在しているのが素晴らしいですよね。関係性を紡いでいこうとする強い意志を感じます。

藤巻:そうですね、大事なのは繋がりですかね。自分の近くにいる人ってきっと鏡のような存在だと思うんですよね。その鏡が映してくれることで見えて来るものがあるし、人生がより豊かになっていく。それと同じように自分も誰かの鏡になっているわけだし。お互いを映し出して、より人生がいろんな側面を見せていく。一人きりでは味わえないこと……見つけられない景色だったり、体験できないことだったりを味わうことで、一回しかない人生が、誰かを通して豊かになって行くということだと思うから。そういうことを僕も歌って行きたいなと今すごく思っていますね。音楽で大事なのは、やっぱり一対一だから、自分もその一として「こういうことを思ったんだよね」とすごく素直に書くと言うのが大事なんだということに今もう一回戻ってきているような気がしますね。ファンの皆、聴いてくれる人とそうやって信頼関係を築いて行くことの大事さを、もう一回イチから、ゼロからやっていこうと今は思っていますね。

――インタビュー2へ



≪リリース情報≫
New Single
『大切な人/8分前の僕ら』
2015.12.16リリース
VICL-37288 / ¥1,200(税抜)
藤巻亮太 話題のCM曲を両A面でリリース。大切な人をまもりたい…/インタビュー
大切な人/8分前の僕ら【通常盤】

[収録曲]
1. 大切な人
2. 8分前の僕ら
3. wonder call

≪ライブ情報≫
【藤巻亮太 TOUR 2016 ~歌旅編~】
2016年2月17日(水) 徳島 徳島市シビックセンター
2016年2月19日(金) 秋田 秋田 クラブ スウィンドル
2016年2月23日(火) 長野 まつもと市民芸術館・小ホール
2016年2月27日(土) 熊本 熊本 B.9 V1
2016年2月28日(日) 鹿児島 Caparvo Hall
2016年3月4日(金) 兵庫 Kobe SLOPE
2016年3月6日(日) 三重 松阪M'AXA

≪作品情報≫
写真集『Sightlines』
発売日:2016年2月17日
価格:¥3,000(税抜)

≪イベント情報≫
【FUJIFILM SQUARE 企画写真展「野口 健×藤巻 亮太 100万歩写真展」】
開催期間:
2016年2月19日(金) ~ 3月9日(水)
10:00~19:00(入場は18:50まで) ※会期中無休
会場:FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)
入場料:無料

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