なお、このドラマでとりあげられた宗教と家族というテーマはその後、1993年放送のたけし主演のドラマ「説得――エホバの証人輸血拒否事件」(TBS、山元清多脚本)でまた違った形で描かれることになる。
ゴッドファーザーの役にも挑戦
1989年6月に亡くなった戦後歌謡界の女王の生涯を描き、同年12月に放送されたスペシャルドラマ「美空ひばり物語」(TBS系)でたけしは、少女時代のひばりの興行を仕切っていた山口組三代目組長の田岡一雄に扮する。これは、ひばり役の岸本加世子に頼まれての出演だった。山口組といえば神戸を拠点とする日本最大の暴力団だけに、たけしは制作に際し「(依頼を受けた当初)下手に演じて関西方面に行けなくなっても困るって断ったんだけどね」と冗談めかしてコメントしている。
自ら熱望した役を演じる
フジテレビの「実録犯罪史シリーズ」の第1弾として放送された。原作は本田靖春のノンフィクション『私戦』。脚本を「夢千代日記」「花へんろ」などの代表作があるベテラン・早坂暁が手がけた。