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清掃バイトから「億万長者」の作家へ。橘玲に聞く

 1995年は日本にとって特別な年で、1月に阪神淡路大震災、3月にはオウム真理教の地下鉄サリン事件が起こりました。当時、僕は雑誌の編集をしていて、オウム真理教のサティアンを取材したり、南青山の教団本部で幹部にインタビューしたりしましたが、オウム信者の多くが同世代で、なかには同じ大学だったりしたこともあって、個人的にも大きな衝撃でした。ところがその年の秋にはウィンドウズ95の日本語版が発売されて、「これからインターネットの明るい未来がやってくる」と日本中が浮かれていて、その暗と明の落差があまりにも激しくて呆然となりました。そのときちょうど35歳で、サラリーマンとしての自分の人生も転機にあって、それがたまたま日本社会の転換点に重なったんです。バブルが崩壊したのは90年ですが、戦後の高度経済成長がほんとうに終わったんだとわかるまで5年くらいかかりましたから。
──橘さんは経済に詳しいので経済学部かと思ったら、文学部なんですね。
 露文(ロシア文学専修)です。高校生のときにドストエフスキーにハマって、「これを原文で読んだら人生が変わるにちがいない」と勘違いして露文にやってくる最後の世代ですね(笑)。
──その頃から小説家になろうと?
 小説家をめざす人は文芸専修ですね。露文なんて半分は最初からドロップアウトしていて、ゴーゴリとか、ドストエフスキーの『地下生活者の手記』とかを読んで、「この世界の真実は社会の底辺にある」とか思ってるから、就職する気もないし。僕も「大企業のサラリーマンなんかしょせん組織の歯車で、人生の意味なんてわからない」って傲慢なことを思っていて、大学4年の秋になってもマクドナルドで深夜の清掃のバイトをしてたんです。そんなとき、本社のスーパーバイザーがたまたま僕の履歴書を見て、「うちにこいよ」って誘ってくれたんですけど、それを言われたのが午前3時で(笑)、そのあまりの激務にビビって断ったんです。その人から「とりあえずどこかに就職しなよ」と言われて、そんなもんかと思って、スーツ買って、新聞で見つけた新橋の極小出版社で働くようになって。そこには1年くらいしかいなかったんですけど、要するにすごいバカだったんです(笑)。

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    「清掃バイトから「億万長者」の作家へ。橘玲に聞く」の みんなの反応 1
    • 匿名さん 通報

      「なんてラディカルなことを言う人なんだろうと感動していました。」机上の空論。言うは易く行うは難し。小銭稼ぎの売文屋だろう。

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