今週の週間文春で「少年A」の今の姿が公開されて大きな話題になった。そこで今回は改めて「少年A」が起こした神戸連続児童殺傷事件、別名「酒鬼薔薇事件」はどんなものだったのか振り返っていく。


社会を揺るがした「酒鬼薔薇事件」の概要


この事件は1997年、兵庫県神戸市で発生した。小学生を標的にしたものであり、2人が死亡、3人が重軽傷を負っている。またこの事件は、殺害した男児の首を学校の校門に置くなど、その残虐性、猟奇性でも大きな話題になった。
そして校門に置かれた男児の口には、犯行声明文が押し込まれており、「さあゲームのはじまりです」「愚鈍な警察諸君」「ボクは殺しが愉快でたまらない」などと書かれていた。その後、神戸新聞社にも声明文が届いており、そのどちらも酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)と名乗る人物からだったため、「酒鬼薔薇事件」と呼ばれている。

犯人は中学生 描かれる犯人像とは正反対だった


赤字で書かれた独特の筆跡、世の中を煽るような文面、男児の頭部と胴部を切断するという異常性。有識者によると、「30代男性」「薔薇や愚弄など一般的でない漢字を使用していることから高い教養のある人物」「複数犯ではないか」などと犯人像分析されていた。
しかし大方の予想を裏返して逮捕されたのは、なんと頭部発見現場となった中学校に通う14歳の少年Aだった。


こうした猟奇的な事件を起こしたのが、被害者とそう年齢が変わらない14歳の少年だったことに社会は大きく揺らいだ。教育システムや少年法、地域の安全のあり方に一石を投じる事件であった。

酒鬼薔薇聖斗のその後


逮捕後、酒鬼薔薇聖斗と名乗った少年Aは当時の少年法により神戸少年鑑別所に移送された。その後少年院に収容され、2004年3月、21歳となった彼は深く反省しており再犯の可能性はない、として仮退院となる。

仮退院以降、長らく彼の存在が世にでることはなかったが、2015年6月、当時の事件をまとめた手記『絶歌』を元少年A名義で刊行する。また、「存在の耐えられない透明さ」という公式ホームページも同時に開設している。
これには、当時の被害者家族や事件関係者が「さらなる精神的苦痛」として抗議、世論も批判に傾いた。
文春に現在の姿が掲載された少年Aだが、今後も世間に物議を醸し続けるのだろうか。