水曜アシスタントは真面目すぎる吉井歌奈子


30年続いたTBSラジオ・朝のワイド番組「大沢悠里ゆうゆうワイド」の終了を受けて4月11日にスタートした新番組「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ・月〜木曜8:30〜)。
伊集院が再び95.4kgを目指すダイエット企画始動「伊集院光とらじおと」水曜日
伊集院光が健康的に痩せると、同じ体重でも結果がどう変わってくるのかも興味深いところ

深夜ラジオの帝王・伊集院光の「朝」対応トークはもちろんだが、月曜アシスタント・安田美香はパジャマでTBSにやって来てしまい、火曜アシスタント・上田まりえはお守りとして野球グローブをスタジオに持ち込む……と、個性強すぎな曜日変わりのアシスタントたちも聴きどころのひとつだ。

そして、水曜日のアシスタントは、元・東海テレビのアナウンサー・吉井歌奈子。


「おはようございます、アシスタントの吉井歌奈子です」

という、はじめてのあいさつ直後に交通情報が入り、そのお知らせを読み上げるという、ちょいとしたトラブルもキッチリとこなした吉井。

番組開始前にも、各コーナーの原稿を読み上げながらストップウォッチで進行を確認していたといい、伊集院から「落ち着いてる、しっかりしているイメージ」と評価されていた。

本人は「アナウンサー歴も長いですけど、正統派じゃないです。完全に」と謙遜していたが、確かに、これまでのアシスタントの中では一番アナウンサーらしいアナウンサーといった感じの声質&トーク。朝の番組にマッチした雰囲気をかもし出していた。

しかし、その真面目な雰囲気ゆえ、じわじわと緊張感が高まってしまったのか、途中、思いっきり噛み倒す場面も。


それが相当気になっていたのか、番組最後に伊集院から「吉井さん、第1回目どうでしたか?」と問われると「梅干しを15口の中に入れてガマンしているような顔」で返答。

さらに「ラジオなのに顔で表現してしまいました、そこもダメ……そこもダメ……」と。真面目なアナウンサーがテンパッているのもかわいらしく、好印象だったが。

この辺、番組開始前からドデカいミス(パジャマ)をかまし、自由奔放に進行していた月曜アシスタント・安田とは好対照。

「安田はもうちょっとちゃんとして欲しいし、吉井さんはもうちょっとゆったりしてもいいんじゃないですかね?」

と伊集院も言っていたが、曜日ごとのアシスタントのキャラクターの違いも楽しめそうだ。

伊集院が95.4kgを目指すダイエット企画始動


水曜日の目玉コーナーは「伊集院光とらじおとダイエットと」。


朝のワイド番組に必須の「健康情報コーナー」だが、テーマは伊集院光の体型にピッタリな「ダイエット」。

これまでも様々な番組でダイエットに挑み、中でもTBSラジオの深夜番組「伊集院光 深夜の馬鹿力」で1996年11月〜1997年3月に行われた「ダイエットキング95.4」というコーナーでは、約5か月間で144.6kgから95.4kg(実際は94.8kgまで下がっていた)まで、約50kgも体重を落とすという、ムチャクチャなダイエットを成功させている伊集院光。

これだけ急激なダイエットなので、一般的なダイエットのセオリーは無視した、ほぼ断食状態&過剰な運動という「食うな! 動け!」理論のみで痩せ続け、あの時期はテレビで見るたびに身体がシュルシュルとしぼんでいた。

ラジオを聴いてこの企画を知っている人はともかく、テレビでしか伊集院を知らない人は「ああ、この人病気なんだ……もうすぐ死ぬんだろうな」と思ったであろう、ヤバイ痩せ方だった。

もちろん、そんなメチャクチャなダイエットだけに、すぐにリバウンドしていた。まあ、企画だからダイエットしていただけで、痩せた体型をキープする気もなかったと思うけど。


一方、今回の「伊集院光とらじおとダイエットと」では、「健康的に痩せる」のをテーマとして、劇的なダイエットは目指さないという。

132.4kgという現在の体重から「ダイエットキング95.4」と同じ目標体重である95.4kgを目指すのだが、体重を落とすのは1か月間に1kgのみ。1年で12kg減を3年続ければ36kg減。大体95.4kgになるというわけ。

リスナーからは、ダイエットの成功体験、失敗体験、最近話題となっているダイエット食品などの情報を募りつつ、毎月、第1水曜日のこのコーナーで体重を計測して、先月からどのくらい体重が落ちたか判定する。

この時、ただ痩せていればいいわけではなく、1kg減から上下100gの幅の範囲に収まっていなければ罰ゲームがあるという、ある意味「どんどん痩せろ!」よりも厳しいルールなのだ。


「ダイエットキング95.4」の際には、テンション高い深夜放送でしゃべっているだけで、1kgくらいは平気で体重が減っていた伊集院だけに、「減らしすぎない」体重調整も大変そうだ。

しかし、それだけ厳密に体重の減少具合を管理しての健康的なダイエット。本気で95.4kgくらいの体型をキープして健康になって、そして少なくとも3年間は番組を続けるという決意表明と取っていいんですよね!?

ちなみに、目標体重である95.4kgとは、TBSラジオの周波数である954kHzにちなんだもの。

そもそもは、若かりし伊集院光が、ニッポン放送でのオーディションの際に、体重をニッポン放送の周波数1242kHzに合わせた124.2kgに調整していって媚びを売った……ということから、「TBSラジオで番組をはじめたんだから体重も95.4kgにすべき」ということで設定された体重なのだ。

そういえば、「ダイエットキング95.4」の最終回では、ダイエットの成功を祝して、観覧に来ていたリスナーたちをまじえ、

「地下鉄千代田線赤坂駅前、ビッグハットがボクらの会社。水戸黄門に、フレンドパーク、ニュースの森に、ゆうゆうワイド〜……」(「どらえもんのうた」のメロディで)

というウソ「TBS社歌」を高らかに歌っていたが、ここで挙げられているTBSテレビ&TBSラジオの代表的な番組が、今となっては全部終わっていると考えると感慨深いものがありますな。


3年後のダイエット企画終了時には、TBSラジオの看板番組として「伊集院光とらじおと」を加えたウソ社歌を歌ってもらいたいもんです!
(北村ヂン イラストも)