review

もう業界ドラマに恋愛はいらないのか「重版出来!」8話

牛露田のように大ヒットを飛ばしても、その後、次の作品が描けずに姿を消してしまうマンガ家は大勢いる。そのあたりの事情は、大泉実成による傑作ノンフィクション、その名も『消えたマンガ家』に詳しい。この本で取り上げられている鴨川つばめの『マカロニほうれん荘』は、和田編集長を演じた松重豊のフェイバリットマンガでもある。

電子書籍の契約のため、牛露田のもとへ繰り返し足を運ぶ和田は、居留守を使う牛露田に向かってドア越しに叫ぶ。

「出版不況やら何やら、先生が現役の頃とはまるで違います。
どんどんどんどん変わっていって、どうすりゃいいのかわからんことだらけです!
でも、あの頃になんか戻れないし、今ここで、私ら生きていかなきゃならんでしょう!
私にも中学生の娘がいます。生意気で、どうしようもない娘ですが、
私ら大人は、子どもの前でカッコつけなきゃならんでしょう!
我々マンガ屋は、夢を売っているんですから!」

胸を打つセリフだが、和田のこの言葉が単に「親として子の前でしっかりしろ」と言っているだけではなく、「電子書籍に契約しましょう」という説得も兼ねているところが面白い。

古いコミックは大ヒット作でも、重版されることなく消えていくことが多い。巻数が多いと売り場のスペースを取ってしまうからだ。そこでスペースを取らない電子書籍の出番となる。売れれば印税が手に入るし、忘れられた作品が注目を集めるきっかけにもなる。

数年前までは(アダルトコミックを除いて)電子書籍の売上は微々たるものでしかなく、参入に消極的な出版が多かったが、ユーザーにとっても利便性の高い電子書籍は近年見直されつつある。先日も『ブラックジャックによろしく』の作者・佐藤秀峰が自ら販売を手がける電子コミックでわずか1ヶ月の間に3億円を売り上げ、1億円以上の印税を手にしたというニュースが流れたばかりだ。
編集部おすすめ

あわせて読みたい

レビューの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

もっと読む

「漫画」に関する記事

「漫画」に関する記事をもっと見る

次に読みたい「漫画」の記事

次に読みたい「漫画」の記事をもっと見る

レビューニュースランキング

レビューランキングをもっと見る

重版出来!

重版出来!

週刊マンガ雑誌の新人女子編集者たちの奮闘を描くドラマ『重版出来!』のレビュー

お買いものリンク