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ロッキード事件・田中角栄逮捕から40年。石原慎太郎が「墓場まで持っていく」真実とは

       
7月の最終火曜日だったその日、東京は快晴で、朝から気温はぐんぐん上昇した。午前7時27分、霞が関の検察庁舎正面玄関に黒塗りの大型車が滑りこむ。その後部座席から降りてきたのはひとりの大物政治家だった。彼は、カメラの放列の前に軽く右手を上げると、そのまま庁舎へと入っていった――。
ロッキード事件・田中角栄逮捕から40年。石原慎太郎が「墓場まで持っていく」真実とは
奥山俊宏『秘密解除 ロッキード事件――田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店)。田中逮捕から40年を迎えるのにあわせて刊行された1冊。朝日新聞で長年記者を務めてきた著者が、近年秘密解除されて公開されたアメリカ政府の内文書を丹念に読み解くとともに、関係者の取材を行ない、事件の真相に迫る

その日は1976年7月27日、これが前首相・田中角栄の東京地検出頭の瞬間であった。このあと7時50分には田中に対して外国為替管理法違反の容疑で逮捕状が執行される。同年2月に発覚したロッキード事件では、すでに全日空や商社・丸紅の幹部が逮捕されていたが、政治家としては田中が最初の逮捕者となった。それからきょうでちょうど40年が経つ。

ロッキード事件は、アメリカからもたらされた。アメリカ上院・外交委員会の多国籍企業小委員会(通称・チャーチ小委員会)は、アメリカの航空機メーカーであるノースロップ社のサウジアラビアへの違法献金を追及するなかで、しだいにロッキード社に矛先を向けるようになる。調べてみると、同社は旅客機トライスターなどの売りこみのため各国で不正工作を行なっていたことが判明、さらに疑惑は日本へとおよんだ。1976年2月には、チャーチ小委員会の公聴会で、ロッキード社の副社長コーチャンが日本人に対する贈賄について証言し、事件は発覚する。

発覚から5カ月あまり。そのあいだに多くの政治家に対し疑惑が浮上していた。マスコミ各社は、検察の描く事件の構図の中心に田中がいるとにらんではいたが、捜査がおよぶにしても、それはほかの政治家のあとだろうと予想していた。それだけに、いきなりの前首相逮捕は青天の霹靂であったらしい。朝日新聞では「前首相逮捕」を想定した予定稿は用意しておらず、号外に載せる解説記事を、司法クラブキャップの記者が頭のなかで組み立てながら電話で読み上げて送稿したという。いわゆる「勧進帳」だ(村山治・松本正・小俣一平

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「ロッキード事件・田中角栄逮捕から40年。石原慎太郎が「墓場まで持っていく」真実とは」の みんなの反応 1
  • 匿名さん 通報

    米が陰謀説を否定すると言うなら、日本は独自のエネルギー供給ルートを確保しても文句は言えない筈。過去に中東との独自交渉を潰した事実は消せない。

    8
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