8月27日、28日にかけて放送され、視聴者を感動の渦に包みこんだ「24時間テレビ 愛は地球を救う」(日本テレビ系)。同番組では障害者がそのハンデを抱えながらも、ひた向きに生きて困難な物事に挑戦するというさまを流すのが主流。
しかし、この番組の裏で「障害者の『お涙ちょうだい』ドキュメントを『感動ポルノ』と糾弾する海外の映像をNHKが流していた!」と話題になり、「感動ポルノ」がTwitter上でトレンド入りしていた。

感動ポルノとは?


「24時間テレビ」の裏で放送されていたのは、障害者と笑いというタブー視されてきた組み合わせがテーマのバラエティ番組「バリバラ」(NHK)。同番組は毎週日曜19時に放送されているのだが、この回は生放送で「検証!『障害者×感動』の方程式~笑いは地球を救う~」という内容が放送された。




スタジオ出演者たちは黄色のTシャツを着用し、完全に「24時間テレビ」を意識。そして内容が、障害者を「健常者に勇気や感動を与えるための道具」として扱う「感動ポルノ」についてだった。ちなみに「感動ポルノ」という言葉は、オーストラリアのコメディアンでジャーナリストのステラ・ヤング氏による造語だ。

24時間テレビに感動しているのは健常者だけ?


番組内では「感動ポルノ」を再現したパロディ映像が放送された。いかにもな音楽とナレーションが流れ、“感動”を演出。障害者が自身の状況を「大変じゃない」と言っても、撮影スタッフが「いや、そこは大変な感じで行きましょう」と誘導する。さらに「病院の先生がめっちゃイケメンでー」と楽しそうに話すと、撮影スタッフが「その話いらないっす」と、「健気な障害者」像に当てはまらない要素は切り捨てていた。ちなみに再現映像の題名は「感動ドキュメンタリー 難病なんかに負けない!~これが私の生きる道~」。明らかに本家の「24時間テレビ39 愛~これが私の生きる道~」を意識している。

さらに「障害者の感動的な番組をどう思う?」というアンケートを健常者と障害者それぞれ100人に行った結果を紹介。「好き」と答えた割合が、健常者が45%だったの対し、障害者が10%しかなかった。

同番組には、「いいぞもっとやれ!」「障害者に変な偏見を植えつけてるのは24時間テレビ」と視聴者からの大反響があった。この番組は9月2日の木曜24時(金曜0時)からの再放送を予定している。