森山直太朗 ベストアルバム『大傑作撰』を出すことで“感謝”と“アップデート”ができた/インタビュー2

 
森山直太朗 ベストアルバム『大傑作撰』を出すことで“感謝”と“アップデート”ができた/インタビュー2

■森山直太朗/New Album『大傑作撰』(2/2)

――インタビュー1より

野球で言えば7番打者くらいのポジションだと思うんですが、4番を打たせてみても面白かったんじゃないかな

――「虹」(花盤)や「12月」(土盤)など新録した楽曲もあるので、より今の森山直太朗が伝わりやすいと感じます。

森山:ありがとうございます。「虹」は合唱コンクールのために提供した楽曲なので「作曲者がしゃしゃり出てすみません」みたいな気持ちもありましたが(笑)。「12月」は配信でリリースしたままになっていて。当時の僕らなりに全力で制作しましたが、もっとやれたんじゃないかという思いがずっとあって。今このタイミングでちゃんとやり直さないと前に進めないような気持ちになったので、録り直すことにしました。

――澱(よど)のように少しずつ積もった思いも、ここで解消されたと。

森山:そうなりますね。「君は五番目の季節」(土盤)は歌を録り直したんですが、最初はコーラスだけの予定でした。コーラスで<めくりめく悠遠に>というのがあり、当時はそう表記していました。でも実は、アルバムをリリースした後になって“めくりめく”なんて表現はないよねってことになっていて。

――わざと“めくりめく”と歌っていると思っていました!

森山:違うんですよ(笑)。なので、御徒町がどうしてもコーラスを録り直したいと言い出して。正直僕は「面倒だなぁ」って思ってたんですが(笑)実際に録り始めると、今度は僕がボーカルを歌い直したくなっちゃって。当初、30分くらいで済む予定が何時間もレコーディングにかけましたね。僕は歌い直せて満足です!

――“土盤”でほかに思い入れが強い楽曲は?

森山:「坂の途中の病院」は特に僕が入れたかった曲です。こんな話をしてもたらればでパラレルワールドでしかないけど、“土盤”を作って思ったのは、どうして発表した当時にこれらをシングルの表題曲にしなかったんだろうなって。カップリングやアルバム曲が多いから、野球で言えば7番打者くらいのポジションだと思うんですが、4番を打たせてみても面白かったんじゃないかなと。

――非常に個性的でインパクトの強い楽曲ですから、豪快な4番打者になるポテンシャルはあったかも。

森山:そう(笑)。大ホームランを打つかもしれないけど、豪快に三球三振することもありえる。いずれにしても、思いっきり振ってるわけだから気持ちがいいですよね。“土盤”を通して、ヒットを狙って当てに行くのも必要だろうけど、僕らはもっともっと面白いと思える楽曲を作って行きたいと改めて思ったし、それがつまりは充実したツアーにも繋がっていくんだろうなと。ベストを作ったことでいろんな学びがありましたね。

森山直太朗 ベストアルバム『大傑作撰』を出すことで“感謝”と“アップデート”ができた/インタビュー2
大傑作撰

“一個の表現体として光り輝く面白いものであれ”

――ところで、ライブセッションを映像化するのはどんな意義があるのですか?

森山:“花盤”だけでも、“土盤”だけでも語れないものがあり、DVD特典としてライブセッションを撮ったことによってそこが埋められるような感覚が僕にはありました。新録もありますが、基本的には既発曲を集めたCDを聴いて満足してくれた人が、もしDVDのライブ映像を見て「あんまりよくないな」って思ったら、僕の今の活動の意味が台無しになりますよね。曲が生まれて、そして今の僕がなお(最新の音楽として)それらを歌い奏でているのをいい形で見せることができたのは良かったなと思っています。まあ、最初はDVD付けたほうが買ってもらえるかなってすごい下心満載だったんですけど(笑)。

――すぐ悪ぶる! そんな浅知恵を働かせる人じゃないと、みんな知ってますよ(笑)。

森山:あははは。さっきも言いましたが、このアルバムを作ったことで“感謝”と“アップデート”ができたし、いい踏ん切りになりました。これまで幾度も作品の取材を受けてきましたが、その頃のことを振り返って話そうとすると気持ちがどろっとなるような時代もあったりして……。過去に付き合っていた人の悪口を言ったり、言われたりするのってすごくつまらない時間だと思うんですけど、それに似たような感覚があったのかなって。

――自分の行為に自信や確信が持てなかった?

森山:そうなんでしょうね。でも選んだのは自分だし、今はあっけらかんと「馬鹿だったな」って思える。否定でも肯定でもなく、ただ事実として受け入れられた感覚がこのベスト盤を作った後に得られました。つまりは、もう振り返ってもじもじしたりとか、すがったり、うがったり、卑屈になることはないなって。だから、次の作品をすぐ作りたい気持ちになりましたね。これまでいろんな作品のインタビューのたびに「やっとスタート地点に立てました」って言ってきましたが、今度こそ本当です(笑)!

――毎回、スタートする気持ちになれるのも素晴らしいと思いますよ。

森山:でも、そうなると一体いつゴールできるかわかりませんから(笑)。

――『大傑作撰』を携えたツアー【森山直太朗 15thアニバーサリーツアー『絶対、大丈夫』】はどんな内容にしたいですか?

森山:15周年のアニバーサリーなので、読んで字のごとく(ネイティブっぽい発音で)“anniversary感”満載にしたいですね。というのは半分冗談です(笑)。アニバーサリーだけ、じゃダメだなって思ってるんです。このベストアルバムを作ったことで、次への作品の意欲が湧きました。もちろん節目を迎えた感慨や感謝はありますが、そこをモチーフにして、というか隠れ蓑にして、毎年やってるツアーよりも抜き差しならない、魑魅魍魎なものにしたいですね、ふふふ(笑)。

――瞬きしてられないくらい見どころ満載なツアーになりそうで、今からワクワクします。

森山:瞬き禁止。もしくは、ずっと目を閉じているのもいいかもしれません(笑)。細かいことはこれからになりますが、ただありがとうだけのツアーにはしたくないですね。「ありがとうね」の後にサプライズを用意したい。そうじゃないと変に歳を取るなと。アニバーサリーは単なるきっかけにすぎない。ライブは“たった今”を映し出すものじゃないと面白くないんですよね。ただ「ありがとう」だけで終わるのは僕ららしくないから、その後に前に思いっきり転ぶのかどうか(笑)。

――節目を迎えて、ご自身は今後の森山直太朗に何を期待しますか?

森山:小休止を経て『嗚呼』というアルバムが生まれ、そこに一応の手応えを感じ、そして総括となる『大傑作撰』というオールタイムベストを作りました。僕が彼に期待することといえば、もうただただ音楽……リリースとかツアーとかそういうものを含めた“一個の表現体として光り輝く面白いものであれ”ということです。面白く光れ、怖くないからと。求めるものはそこかなと思いますね。



≪リリース情報≫
Best Album
『大傑作撰』
2016.09.21リリース

【初回限定盤】(CD+DVD)
UPCH-29225 / ¥4,536(税込)

【通常盤】(CD)
UPCH-20426 / ¥3,024(税込)

[収録曲]
●花盤
1. 夏の終わり
2. 生きてることが辛いなら
3. どこもかしこも駐車場
4. 花
5. 若者たち
6. 風花
7. 愛し君へ
8. フォークは僕に優しく語りかけてくる友達
9. 嗚呼
10. 小さな恋の夕間暮れ
11. 太陽
12. さくら(独唱)
13. 日々
14. 生きとし生ける物へ
15. 虹(2016 ver.) ※新録
●土盤 ※初回限定盤ボーナスディスク
1. レスター
2. さなぎの時代
3. 今が人生
4. 君は五番目の季節
5. シルビア
6. 坂の途中の病院
7. 夕暮れの代弁者
8. 僕らは死んでゆくのだけれど ※初CD化
9. 優しさ
10. うんこ
11. よく虫が死んでいる
12. コンビニの趙さん
13. 魂、それはあいつからの贈り物
14. 12月(2016 ver.) ※新録
<DVD> ※初回限定盤特典
●Studio Session 2016 ~直太朗的録音箱集友楽~
1. 夏の終わり
2. ラクダのラッパ
3. どうしてそのシャツ選んだの
4. 明けない夜はないってことを明けない夜に考えていた
5. 涙
6. どこもかしこも駐車場
7. 未来 ~風の強い午後に生まれたソネット~
8. 声
●Interview 「森山直太朗ってなんだろう」
~15年をめぐる、あるひとつの考察~

≪ライブ情報≫
【森山直太朗 15thアニバーサリーツアー『絶対、大丈夫』】
<前半> ※後半は後日発表予定。
2017年1月27日(金) 埼玉・川口総合文化センター リリア メインホール
2017年1月28日(土) 埼玉・川口総合文化センター リリア メインホール
2017年2月4日(土) 山梨・コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
2017年2月5日(日) 群馬・ベイシア文化ホール 大ホール
2017年2月15日(水) 山形・酒田市民会館 希望ホール
2017年2月19日(日) 和歌山・和歌山市民会館 大ホール
2017年2月25日(土) 千葉・市原市市民会館
2017年2月26日(日) 栃木・佐野市文化会館 大ホール
2017年3月4日(土) 神奈川・神奈川県民ホール大ホール
2017年3月10日(金) 愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
2017年3月12日(日) 山口・防府市公会堂 大ホール
2017年3月19日(日) 大阪・フェスティバルホール
2017年3月20日(月・祝) 大阪・フェスティバルホール
2017年3月25日(土) 福岡・福岡サンパレス
2017年3月26日(日) 大分・日田市民文化会館 パトリア日田
2017年4月1日(土) 高知・高知県立県民文化ホール オレンジホール
2017年4月2日(日) 岡山・倉敷市民会館
2017年4月8日(土) 石川・ 北陸電力会館 本多の森ホール
2017年4月9日(日) 福井・越前市文化センター
2017年4月15日(土) 秋田・秋田市文化会館
2017年4月16日(日) 岩手・盛岡市民文化ホール
2017年4月20日(木) 北海道・だて歴史の杜カルチャーセンター 大ホール
2017年4月21日(金) 北海道・札幌市教育文化会館 大ホール
2017年4月23日(日) 北海道・函館市民会館
2017年4月27日(木) 東京・中野サンプラザ
2017年4月28日(金) 東京・中野サンプラザ

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