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「3月のライオン」を観て驚いた、冒頭9分間主人公が喋らない

       
アニメ『3月のライオン』、驚いた。
夢から目を覚ました主人公、桐山零。
起き上がる。
殺風景な部屋。
窓を開け、外を観る。川。
「3月のライオン」を観て驚いた、冒頭9分間主人公が喋らない
『3月のライオン 1 』羽海野チカ/ジェッツコミックス

「アニメはキャラクターだ。まずキャラクターの特徴をアクションで観せろ」
アニメ制作の授業や本は、そう教える。
だから、たいていのアニメは、走ったり、戦ったり、叫んだりする。
なのに、いきなり目覚めて、立ち上がって、窓を開ける。
日常の風景だ。
にもかかわらず目が離せない。

服を着替えて、外へ出て、歩く。
自動販売機で水を買い、将棋会館へ。
対局が始まろうとしている。
「……元気だったか? 零」
零は喋らない。
対局。
回想シーンがはさみこまれる。
だが本当に1ショット1ショットで、説明らしい説明は無い。
「負けました」
相手が頭を下げる。
「急に出ていって…歩も香子も心配してるぞ……」
立ち上がる。去っていく。
零はひとり正座している。
ここで、初めて主人公が喋る。
「うそだ」
と独りつぶやく。
9分だ。
9分間、主人公が喋ることも無く、わかりやすい説明も無く、大きなアクションも無い。
だが、すごいものを観ている興奮に巻き込まれる。

いや、「だが」じゃないのか。
「アニメはこうあるべき」という制約よりも、原作をどうアニメにするのかを誠実に考え抜いたことが判るからだ。
もちろんこれは原作をまったく同じようになぞるということではない。

たとえば、水の演出が繰り返される。
排水口に流れ込む水。
一瞬はさみこまれる水疱。
窓から入ってくる光を受けるウォーターサーバー。

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