Mr.Children 半年に渡るホールツアーを完遂。武道館公演を完全レポ/ライブレポート・セトリ
撮影 薮田修身[W]

■Mr.Children/【Mr.Children Hall Tour 2016 虹】ライブレポート
2016.10.07(FRI)at 日本武道館
(※画像11点)

新曲「お伽話」で幕開けとなった武道館。いまの日本社会を映すかのようなこの歌は、まさに我々自身の虚栄や猜疑を“鏡”で映すような曲。ノレるというより考えさせられる。でもそれも、音楽から受取る大切な感動だ。さらに桜井の伸びやかな声が届く「水上バス」へと、さざ波が静かに光り、広がるようにライブは進む。それ以降も瞬間的に心拍数が上がる感じより、ジワジワ効く曲が多かった。ただ春のツアーとは10曲以上入れ替わり、季節感も意識された模様。そしてライブの後半は「ランニングハイ」などアッパー系で攻めてくとこもあったが、しかし全体の印象としては“盛り上がりありき”ではない。そこが今回の重要ポイントだったかも知れない。

Mr.Children 半年に渡るホールツアーを完遂。武道館公演を完全レポ/ライブレポート・セトリ
撮影 薮田修身[W]

Mr.Children 半年に渡るホールツアーを完遂。武道館公演を完全レポ/ライブレポート・セトリ
撮影 薮田修身[W]

せっかくホールを回るのだし、それを意識し、それを活かすセットリストということだろう。演奏の細かなアンサンブルの妙や、歌詞の深みなどが耳に届きやすい環境だからこそ、こうした選曲だったのかな、とも思った。

でも、なぜこのタイミングでホールをやろうとしたのだろう。途中のMCで、桜井はこんなふうに説明した。Mr.Childrenは他のバンドほど「ホールツアーを経験することなく大ブレイクしまして、“飛び級”でアリーナ、スタジアムへ……」。もちろんブレイクという言葉は自慢げに言ったのではなく、謙遜をユーモアに転換した言い方だったけど、だから「この機会にホールを回ろうとした」という。つまりこれ、デビュー25年というアニバーサリーを来年に控え、精神的な準備をしてのこと、とも言える。バイオグラフィに空白とおぼしき部分があるのなら、それを埋める、とでもいうか……。