SMAP解散にともない、冠番組である『SMAP×SMAP』(関テレ・フジテレビ系)の終了も終了する。1996年の放送開始以来、20年間にわたって続いてきた人気番組は、多くの名物キャラクターを生み出した。


批判の声もあった『SMAP×SMAP』


木村拓哉が「探偵物語ZERO」で松田優作、「古畑拓三郎」で田村正和を完コピしたかと思えば、中居正広は計算マコちゃんからマー坊まで幅広いキャラクターを演じる。香取慎吾は映画『マトリックス』のパロディをこなし、稲垣吾郎は青山テルマ、草なぎ剛は森山直太朗やジェロなど意外な人物になりきる。まさに変幻自在である。

だが『SMAP×SMAP』には開始当初は、「所詮アイドルがやっているから高視聴率を取れている」といったアンチの声も存在した。しかしこの批判は見当外れであろう。
ただ、ジャニーズタレントをそろえたからといってバラエティ番組が成功するとは限らない。『Toki-Kin急行 好きだよ!好きやねん』(TBS系)はその良い例である。


半年で打ち切られた理由とは?


この番組は、1996年の10月にスタートし、わずか半年後の97年3月に終了してしまった。TOKIOとKinKi Kidsという、ポストSMAPとして注目を集めていた人気グループ2組をそろえながら、視聴率は振るわなかったのだ。

番組では「ザ・ベストテン」をパロディ化し、実際に出演者が曲を歌うコーナーや、TOKIOとKinKi Kidsとの対決コーナーなど、アイドルのバラエティ番組にありがちな企画がメインだった一方、ふかわりょうを迎えた「小心者克服講座」(一言ネタ)にメンバーが挑むシュールなコーナーも。ベタとシュールが同居しており、番組の構成に一貫性がなかった。

さらに裏番組も強力だったことが半年で打ち切られた一因だろう。日本テレビ系では酒井法子が、耳と口が不自由ながらけなげに生きる看護師役を好演し、高視聴率を獲得した『星の金貨』の続編である『続・星の金貨』が放送されていた。
さらに、フジテレビ系では若手芸人がネタを披露し、週ごとにランキングが付けられていく『タモリのsuperボキャブラ天国』がスタートしていた。
フォーマットにのっとったジャニーズアイドルの笑いよりも、若手芸人たちの勢いのある生身の活躍に世間の注目は集まったのかもしれない。

2つの強力な裏番組に挟まれ、従来の熱心なファン以外に視聴者層が広がらなかったところが『Toki-Kin急行 好きだよ!好きやねん』の最大の敗因であったといえるだろう。

その後のTOKIOとKinKi Kids


さらには、番組が出演者の資質をうまく活かしきれなかったとも言える。TOKIOの『鉄腕DASH!』(日本テレビ系)におけるアウトドア路線、Kinki Kidsの『LOVE LOVE 愛してる』(フジテレビ系)における音楽バラエティ路線がうまくハマっていったのとは対照的である。

番組は時間をかけて成長していくという点でいえば、20年間にわたり、心地よいグルーヴ感を作り上げてきた『SMAP×SMAP』の終了は残念でならない。