2016年のNHK紅白歌合戦では、最後まで期待されながらもSMAPの声を聴くことはなかった。その代わりというわけではないだろうが、嵐、関ジャニ∞、Sexy Zoneといったジャニーズ事務所のアイドルたちが盛り上げあうという、ひと味違う紅白になった。

そんな中、デビューから20周年となりながらも、昨年ようやく紅白初出場を果たしたユニットKinKi Kidsは、ジャニーズグループの中でも独自の存在感を放ち、実は音楽アーティストとしてはギネス記録を持っているエピソードもあるというのは、意外と知られていないのではないだろうか。

ギネス認定されたKinKi Kidsの音楽


偶然にも同じ名字の関西出身だった二人、堂本光一と堂本剛が組んだユニットKinKi Kidsは1994年12月31日武道館でファーストライブをおこなうと、1997年にデビューシングル「硝子の少年」を発表。このデビューシングルは178万枚の売り上げを記録して、オリコン初登場1位を獲得、ミリオンセラーを達成する。
そしてなんとこのデビューシングルから全てが初登場1位を記録しているのだというから驚くべき記録だ。

2002年には「デビューから13曲連続オリコンチャート1位」という記録でギネス認定(ギネス・ワールド・レコーズ2002 掲載)された。
これはギネスブックの音楽部門として、日本人としてはじめて名を連ねた快挙だった。またこの同記録は、2005年、2008年、2016年と現在に至るまで37作連続1位という記録でKinKi Kidsによってたびたび更新されている。


本人たちの思い入れも強い『硝子の少年』


KinKi Kidsのデビューシングルである『硝子の少年』は、ジャニーズ事務所が設立したレコード会社ジャニーズ・エンタテイメントから発売された最初の作品ということもあり、かなり気合いの入った曲のようだ。
昨年の紅白でも歌ったそのデビュー曲には、KinKi Kids本人たちの思い入れも一段強い様子。
また、この曲の作曲をした山下達郎は、ジャニーズ事務所側から最低条件として「オリコン初登場1位」「ミリオンセールス」を突きつけられ、相当なプレッシャーを感じたと語っているのだが、それでも「20年経っても歌える」曲として二人に提供したという。ちなみに作詞は松本隆がおこなっており、1998年には選抜高校野球の入場行進曲となった。

KinKi Kids二人の性格や趣味があまりに違うことが多いため、一部では不仲なのではと思われていたりするようだ。しかし実際は、仲がいいほどにつかず離れずの夫婦のような関係なのだと二人はライブなどで語っている。

車が大好きで、少し天然な王子様キャラの光一と、個性的なファッションや個人活動も旺盛な剛という、互いにまったく重ならないが補いあうふたりの性格がいい関係を保っている所以なのかもしれない。

SMAPなき後、KinKi Kidsはジャニーズタレントの中でもさらに大きな声援を担ってゆくユニットのひとつになるだろう。
(空町餡子)