取材で色々な街へ出かけるのですが、そんな時の楽しみの一つに不動産屋の外に貼り出されている物件情報のチェックがあります。当然、都心から離れるにしたがって「この広さでこの安さ!?」と低家賃に驚くことが多いのですが、反面、やはり山手線沿線は比較的高い傾向にあると思います。


そんななか、1月に立ち上がったwebマガジン「TABATIME(タバタイム)」が自虐的というかなんというか。
山手線で一番無名な「田端」による“田端のためのwebマガジン”が発行される

「TABATIME」、なんと“山手線で一番無名な田端による田端のためのwebマガジン”と謳っているのです。


「山手線らしくない」「ださい」「地味」「何もない」……ひどい言われようの田端


っていうか、何もそんなに卑下しないでも……。そこら辺、このwebマガジンを手がけている「やってみたいことやってみる協会」代表・櫻井寛己氏に伺ってみました。櫻井氏、生まれてからずっと引っ越すことなく田端に住んでいるそう。それどころか曽祖父の代から住み続けており「田端に住み始めて4代目」をプロフィールに記してしています。
「今まで、田端のことはみんなから色々言われてきました。
山手線らしくない、ださい、地味、何もないなど、ネガティブな意見がほとんどでしたね……。地方出身の友人にも関東出身の友人にもどちらにもバカにされることが多いです。褒められるのは山手線が通っており、アクセスの良さだけです。ちなみに“山手線で一番無名”と謳ったのは僕です」(櫻井氏)
だから、何もそんなに卑下しなくても……。

ただ、一方で「住むにはいい街だよね」と言われることもあるそうです。
「何もないと言われている田端なんですが、実はいいお店がいっぱいあったり色んな人が住んでいます。
地域にしかない情報は、なかなか世間に出ることがありません。田端に引っ越ししてきたとしても、田端の本当の良さを知らない人ってすごいもったいないなって思ったんです。『TABATIME』を通じて、田端をもっと色んな人に知ってもらいたい。そして『こんなwebマガジンがあるなんてユニークな街だ』と思われ、面白い人がどんどん集まる街になっていければいいなと」(櫻井氏)
自分が大好きな街だからこそ自分が田端にできることは何だろう……と考え、このwebマガジンを立ち上げたそうです。


下町と都会の特色、どちらも併せもつ街


そんな「TABATIME」、今後どのような情報を発信してくのでしょう?
「おいしいお店や場所、田端にしかない情報、文化などを発信していきたいと思います。また住むにはいい街なので、生活に必要な情報(病院、学校、イベント情報など。もちろん飲食店を含めて)も発信したいと考えています」(櫻井氏)

現在、配信されているものの中で記者が目に付いたのは、以下です。

●田端駅に金魚の鑑賞池!?都会のこんなところに癒しのスポットを見つけた
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●田端の老舗おもちゃ屋さん「ぐぅふぃ〜」に行ってきた
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●「田端のパワースポット!東覚寺で赤紙を貼って悪いとこを直そう」
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●「【田端周辺の銭湯まとめ】地元民が通う7店舗紹介」
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「何もない」どころか、探せばちゃんと田端にもおもしろスポットがあるじゃないですか!

「田端の一番の特色は、“人の良さ”だと思います。僕はずっと住んでいるからこそ、地域と人との繋がりをより強く感じます。神輿などがあって下町っぽさもあり、山手線が通っていてマンションも多くあり、人もある程度いるという都会らしさもあります。田端は下町と都会の特色どちらも併せもつ街だと思います」(櫻井氏)


裏を返せば“山手線で一番のびしろのある街”


ちなみに、「TABATIME」のターゲット層は“田端に今現在住んでいる人”と“田端をよく知らない人”の両者とのこと。
「“田端に住んでいる人”にはもっとコアな情報と便利な情報を、“田端に住んでいない人”には田端のことを少しでも知ってもらい、田端の良さを発信していければと考えています。そして、田端に新しく住むきっかけにもなってほしいと思っています」(櫻井氏)

田端に新しく住むきっかけ、なるほどです。
たしかに、今まで一度も「田端に住みたい」と思ったことはなかったもんなぁ……。
「正直、山手線で一番無名で、一番地味な場所という自覚があります。しかし、裏を返すと“山手線で一番のびしろのある街”とも言えます。もっと田端に人が集まって、地域活性できればいいなと考えています」(櫻井氏)

櫻井氏は「TABATIME」を“街の回覧板”のようなサイトにしたいと考えているそう。そして、田端をみんなの“山手線で一番好きな街”にしたいと願っているようです!
(寺西ジャジューカ)