午後5時半を少し回った頃に場内が暗転すると、SEが高らかに鳴り響く。大槻ケンヂ(Vo)、橘高文彦(Gt)、本城聡章(Gt)、内田雄一郎(Ba)が客席に背を向けて横一列に並ぶシルエットは、いつ観てもワクワクする。すでに興奮状態のフロアに最初に投下されたのは、圧倒的な華やかさを誇る「サンフランシスコ」。続く「カーネーション・リインカネーション」の攻撃的な音圧によって、オーディエンスの熱気は上昇するばかり。
「俺らは50歳超えてもハードロックやってるんだよ! この大変さがわかるか!」と大槻が叫び、場内が和む。ロックの醍醐味を伝えるド迫力の演奏はもちろん、要所要所で観客のツボを心得た爆笑トークが飛び出すところも筋少の魅力である。彼らが長年培ってきた稀有なセンスは、ライブという場において、最大限に発揮されるのだ。ドライヴ感のある「みんなの歌」に続き、まだ序盤ながらも「踊るダメ人間」が披露される贅沢な展開に、観客の頬も緩みっぱなし。橘高と本城がメインヴォーカルを務めた「俺の罪」からも、ゴキゲンなお祭りムードが漂っている。