出演は真野恵里奈、浅野温子、塚本高史、馬場園梓(アジアン)、正名僕蔵など。
原作『この世にたやすい仕事はない』(日本経済新聞社、2015年)は、芥川賞作家・津村記久子の小説家デビュー10周年記念作品だ。

全5話からなる連作小説で、主人公兼語り手の〈私〉が、5つの奇妙な仕事を転々とする。
あるときはミステリ、あるときは『世にも奇妙な物語』
第1話「みはりのしごと」……〈私〉はビルの一室で、監視カメラの画像に映るひとり暮らしの小説家・山本山江(やまもとやまえ)の一挙手一投足をチェックしている。それが、今回紹介された仕事。
安部公房の不条理小説のような設定と、ミステリ的な急展開で、読者を不思議な世界に連れ去る。
第2話「バスのアナウンスのしごと」……〈みはりのしごと〉をやめた〈私〉に、相談員の正門(まさかど)さんは、町を循環するバス「アホウドリ号」の車内アナウンス広告音源のコピー作りの仕事を紹介する。
しかしその平凡なアナウンス広告は、町の現実に不気味な影響を及ぼしているらしかった。
『世にも奇妙な物語』(フジテレビ)に似た味わいで、本書中もっとも幻想的なテイストのお話。ドラマではこれが第1話となっているのもうなずける。
超リアルな架空の米菓
第3話「おかきの袋のしごと」……つぎに紹介されたのは、米菓会社のおかきの袋に書くひとことメモ(ミニ知識)を考案する仕事。