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又吉直樹原作ドラマ「火花」6話。 童貞疑惑の徳永が、正気を失って下ネタを克服するまで

今話のラスト。若手芸人の打ち上げ会場と思われる居酒屋で、神谷は「若手の若手の、登竜門」と叫びながら裸で肛門を晒すというギャグを披露していた。そこで徳永は抱きついてパンツを下ろさせないという役回りを、大勢の芸人がいる中、自ら進んで請け負った。
仲の良い芸人を笑わす為の下ネタ、客が引かない軽い下ネタ、大勢の前での大道芸的なド下ネタ。今話で徳永は、下ネタを克服したようだ。きっかけはやはり真樹の家で股間を擦った事だろう。相手が笑うと思ったならば、手段として下ネタも正攻法のボケも違いは無いという考えに至ったのかもしれない。良くも悪くも、また一歩神谷に近づいたのだ。

童貞だから下ネタが嫌い、それでもいいのかもしれない


そもそも、徳永は芸人として下ネタが嫌いだったのだろうか。トガッている芸人が下ネタを嫌うのは、なんとなく想像できるが、それとは少し違う気がする。どちらかというと、童貞特有の下ネタへの照れのような雰囲気が出ている。思えば、美容師のあゆみ(徳永えり)に髪を切ってもらう時に顔の近さを気にしたのも、合コンで自分に気のある女の子を拒否したのも、28歳歯科助手の連絡先が書いてあるアンケートを無視したのも、童貞だからではないのだろうか。なんのことはない、徳永は童貞だから下ネタが嫌いだったのだ。

「その頃僕らはどうかしていた」。これは打ち上げのシーンで流れた徳永の声でのナレーションだ。

おそらくは売れない芸人時代を思い返す余裕が出来た時、つまり、今が子供だとしたら大人になった時の徳永の目線のセリフだろう。芸人として下ネタを克服できたのはいいが、売れていないという現状で正気を失い、自分を見失っている。神谷も周りの芸人も含めて、やっぱりそれは間違いなのではないか、大人の徳永は感じている。

かといって、この売れない時代を後悔しているとは思えない。この経験が大人の徳永を形成している事に違いはないからだ。「どうかしていた」これが正当化出来てしまうほど、彼らは特異な環境に身を置いているのではないだろうか。

(沢野奈津夫@HEW)

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