今年、久々に熱愛報道が流れた中居正広。お相手は、AKB48やNMB48の振付師でダンサーの武田舞香さんだった。

武田さんは安室奈美恵や加藤ミリヤらのツアーダンサーとしても活動していた実力派で、中居とはSMAPの代役ダンサーとして知り合ったという。

SMAPのダンスというと、ジャニーズ事務所の取締役副社長・メリー喜多川氏が週刊誌の取材で「SMAPは踊れないじゃない」と言い放った件がファンの波紋を呼んだが、SMAPだって踊っているのである。なかでも中居はダンスが得意な方だ。

『世界に一つだけの花』の振付けはKABA.ちゃんが担当


SMAPの代表曲『世界に一つだけの花』の振付けは、オネエタレントのKABA.ちゃんが担当している。作詞・作曲が槇原敬之。1999年に違法薬物所持で懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けて表舞台から姿を消していた槇原に曲を依頼しようと言い出したのが中居だという。

『世界に一つだけの花』は、アルバム『SMAP 015/Drink!Smap!』(2002年7月リリース)の収録曲だったが、ファンのあと押しで、2003年に新たなアレンジでシングルカットされた。


同曲は、誰でも簡単に覚えられるような手振りがついている、SMAPの中では珍しい楽曲だ。KABA.ちゃんによると、木村拓哉から「みんながひとつになれるような振付けにしてほしい」とリクエストがあったという。そしてできあがったのが、子どもも大人もマネできるシンプルな振付け。
楽曲自体の良さもあるが、親しみやすい振付けも、この曲を国民的なレベルに押し上げたといえるだろう。

SAM、TRFの指導でダンスの真髄を知ったSMAP


日本のダンスシーンを長年牽引しているTRFのSAMも、SMAPの振付けをしていた一人。

SAMといえば、埼玉の大病院の御曹司に生まれながら15才でダンスに魅了され、ニューヨークに単身でダンス留学、クラシックバレエ・ジャズダンス・ストリートダンス・ハウスダンスなど、幅広いダンスの素養を身につけ、TRFの振付けやステージ構成を手がけてきた。
そして意外に知られていないのがSMAPの振付けをしていたことだ。


2008年、SMAPが2年ぶりに行ったライブツアー『SMAP 2008 super.modern.artistic.performance tour』は、“モダンで芸術的、今まで見たことがない特別なSMAP”をコンセプトに、いつも以上に踊るステージ。その振付けを担当したのが、SAM、そしてTRFのCHIHARUとETSU。

当時、木村がラジオ『木村拓哉のWHAT’S UP SMAP!』で、「TRFができる前、僕ら(SMAP)はCHIHARUさんとETSUさんにレッスンを受けたことがある」と明かしている。レッスンで見た彼女たちのダンスに衝撃を受け「ポイポイと踊りをしてきた俺らが、踊りってこういうことなんだ、って教わった」という。

木村、中居憧れのキング・オブ・ポップの振付師の振付けも!


前述のラジオで木村は、自身のダンスについて「周りの上手い人たちを見て感心して、パクってきた」と話している。音楽でも波乗りでも、上手な人をパクって自分流にしていくのが木村流。


なかでも、ダンスで一番影響を受けた人として、マイケル・ジャクソンの名をあげた。かつて『Beat It!』のMVを見ながら繰り返し練習して、完全にコピーしていたこともあるという。同じく中居も、マイケルのダンスを完コピし、ライブで披露するほどの大ファンだ。

そのマイケル・ジャクソンの振付師として有名なファティマ・ロビンソン氏もSMAPの 2008年のツアーで振付けを担当。SMAPは、けっして歌もダンスもうまいとはいえないグループではあったが、彼らの歌やダンスには“その道のプロ”への敬意のようなものが感じられ、常に気持ちがこもっていた。
それは、偉大なる振付師やダンサーの影響もあったに違いないし、それを真摯に受け止める彼らの姿勢があってこそだったのだろう。

(佐藤ジェニー)