KinKi Kidsは俳優として多くのドラマや映画に出演しているが、2人が共演したドラマは少ない。
単発のスペシャルドラマやゲスト出演を除けば、連続ドラマで2人が共演した作品は3つに限られる。それぞれの作品をふりかえってみたい。
壮絶ないじめ描写……抗議が殺到した「人間・失格」
KinKi Kidsの初共演作にして出世作となったのが、1994年7月から9月に放送された『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(TBS系)だろう。
剛は神戸から東京の名門私立校へ編入した転校生の大場誠、光一はミステリアスな影山留加を演じた。
剛演じる誠は、同級生からの壮絶ないじめや体育教師からの体罰を受け、死に追い込まれてしまう。これらの痛々しい描写に対し、放送中は抗議が殺到した。
また、留加が誠に友情を越えた愛情を懐き、ひそかにキスをするといった同性愛的な描写も話題となった。
「若葉のころ」キンキは異母兄弟設定だった
次に2人が共演するのは1996年4月から6月に放送された『若葉のころ』(TBS系)である。この作品は名門高校で出会った対象的な2人の少年の人生を描いたものだ。
剛は、幼いころに母を亡くし酒びたりの父を疎みつつ、アルバイトで幼い弟と妹を支える苦学生(相沢武司)を演じた。一方の光一は裕福な家庭に生まれ、母に愛されるお坊ちゃま(藤木甲斐)役だ。
2人は友情を深めていったが、やがて奥菜恵演じる武司の幼なじみ(蒔田泉)が甲斐に惹かれることで、2人の友情は決裂する。
KinKi Kidsの2人が演じる武司と甲斐は、異母兄弟だったことが後に判明するストーリーも注目を集めた。
今年20年ぶりに復活する「ぼくらの勇気 未満都市」
翌1997年の4月から7月には『ぼくらの勇気 未満都市』(日本テレビ系)が放送された。
千葉県の埋立地で大地震が発生したニュースが流れるが、これは政府による情報操作。実際は、大人が感染すると死亡する生物ウイルス「T幕原型」が拡散されており、大人は死に絶え、子どもたちだけが取り残された。
光一演じるヤマト、剛演じるタケルは迫りくる死期におびえながら、荒廃した都市の中でたくましく生き抜く、近未来のディストピアを描いたSF作品である。
いずれのドラマにも、剛と光一の友情、絆といった要素がドラマに盛り込まれている。さらに2人の実年齢と、作中の登場人物の年齢もほぼ一緒である。
KinKi Kidsにとって、これらのドラマは青春の記憶としてあるのかもしれない。