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「ハクソー・リッジ」正気と狂気と地獄の戦場。ややこしいままに叩きつけられたよ

主人公デズモンドは頑固というレベルを飛び越えた人間である。普通軍隊で上官から「なんで銃を撃たない!」と毎日怒鳴られ、同僚の兵士たちから殴られたら心が折れる。だがデズモンドは譲らない。本当にこれ実話なのかと疑うレベル。

面白いのは自己の信念に忠実すぎるデズモンドを、『ハクソー・リッジ』は一歩引いたポジションから描いている点だ。デズモンドは雑に言ってしまえばコミュ障であり、多分現代だったらなんらかの病名がつくであろう人物である。そのへんは看護師ドロシーをくどいて初デートをするシーンに描かれており、見ていて悪い意味でドキドキした。

頑固で敬虔なキリスト教徒でしかもコミュ障という役柄を、アンドリュー・ガーフィールドは生々しく演じている。キラキラした瞳と妙に快活な態度。機嫌が悪くなったりしんどくなった時の上目遣いな目つきなど、目力だけで「こいつちょっとやばいな……」という緊張感を表現しているのだ。そして、そんなちょっとやばい衛生兵が、映画の後半で地獄の戦場に飛び込む。

デズモンドは狂人か? 聖人か?


あらかじめ言っておきたいのは、この映画の戦場の描写は半端ではないという点だ。日本版トレイラーでは「感動の実話!」みたいな煽り方だったり、ダチョウ倶楽部が宣伝していたりと(本当にあれは一体何だったんだろうか)客を油断させるような作りになっている。が、本編では銃撃や砲弾で四肢は吹っ飛び胴体はちぎれ、腐りかけた死体が転がる中を敵味方の兵士が素手で殺し合うという相当に生々しいことになっている。沖縄戦についてある程度正確な知識があったりすればそれほど驚かないと思うけど、ゴア描写に耐性がないとちょっとショッキングかもしれない。さすがドMで知られるメル・ギブソンだけのことはある。

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    「「ハクソー・リッジ」正気と狂気と地獄の戦場。ややこしいままに叩きつけられたよ」の みんなの反応 1
    • 匿名さん 通報

      メル・ギブソンもよくCMで顔出しできるよなって思ったけど、このレビュー書いた人も神経が極太だね。どっちも(メルは中国から、この人は配給会社から)たんまりお金貰ってんだろうね。

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