「イクメンでなくてはならないプレッシャー」男性は責任感が強い人ほど注意が必要

妻の妊娠が分かり、いざ自分が父親になったとき、初めてのことならきっと不安は大きいだろう。世間ではイクメンが奨励されていることもあり、プレッシャーも大きいはずだ。

しかしそんな父親になりたての夫は、妻が妊娠後、具体的に何をすればいいのかなかなか参考になるものがない。
そこで妻が妊娠した後、出産までの期間、夫は何をすればいいのかを専門家に教えてもらった。

夫は、妻が妊娠したら何をすべき?


今回、質問に答えてくれたのは、産後の母親の暮らしを支える専門家「産後ドゥーラ」の人たちだ。行動面、経済面、精神面から、妻の妊娠後、現場の視点から夫がすべきことを教えてもらった。

●妻の話に耳を傾ける
「まずは仕事を切り上げて、早く帰ってきてくれるだけでいいです。産後はとくにそうされてください。
そして、妻の言葉に愛を込めて耳を傾けてみてください。女性は『感情の言語化』により、頭の整理整頓ができ、聞いてもらえることで『愛されている』と感じることができるものです」

●妊婦健診や両親学級に参加する
「妊婦健診や病院の両親学級、地域の保健センターのプレパパママ講座などに一緒に参加するのもおすすめです。出産の方法、立ち合い出産の方法や、産後の過ごし方、どんな父親・母親になりたいかを夫婦で語り合ってみる。妊娠中から、パートナーと一緒に親になる姿勢を持つための行動をするといいです」

●妊娠出産費、産褥期・産後ケア費の準備
「妊娠・出産準備費用に加え、産褥期(産後6~8週間)の養生期間における産後ケアの予算計画を立てましょう。産後ケアとは、お食事の用意や赤ちゃんの沐浴(もくよく)、母乳外来や母乳育児が軌道に乗るまでの母親サポートのことです。産褥婦(さんじょくふ)は水仕事などの家事はもとより、回復まで沐浴のような重労働はしてはいけません。
お父さんが沐浴できないときは、祖父母にお願いしてみたり、母乳外来や、地域で訪問可能な助産師さんを探したりして料金表も確認しておきましょう。産後ドゥーラもお手伝い可能です。
母親となった女性が、社会復帰に前向きに一段階ずつ進んで行けるように、用意周到に産前産後の予算確保をすることをおすすめします」

●父親としての自覚を養う
「男性は、女性より子どもができたという自覚が遅いものです。時に父親になることが怖いと感じたり、養っていかなければならないという責任を感じたりすることもあることでしょう。『イクメンじゃなくちゃいけない』というプレッシャーを受けすぎないこと。父親は母親より、親としての実感がわくのに時差があるのが普通です。
まじめで責任感が強い人は、とくに気をつけて。妊婦さんと同じように、ご自身の心のケアも大切です」

(石原亜香利)


取材協力
一般社団法人ドゥーラ協会
産前産後の母親に寄り添い、暮らしを支える専門家「産後ドゥーラ」養成・認定機関。産後ドゥーラ養成講座ご受講生募集中。
協力:認定産後ドゥーラ 曽我部ゆかり西 公子伊勢和美
https://www.doulajapan.com/