ちょいちょい紫綬褒章自慢が入ってくる
……それはいいとして、姫こと九条摂子(八千草薫)の問題だ。
最近、姫の様子がおかしいらしく、身の回りの物をなんでもかんでも捨ててしまうようになっているという。
まあ姫も90歳超えらしいし、終活として身の回りの整理をするのはいいんじゃないかとは思うが、その中には、紫綬褒章の褒賞やカンヌのトロフィーまで……。さすがにこれは断捨離しすぎ!
その裏には、マヤ(加賀まりこ)による強烈な「断捨離」の布教があったようなのだが、お嬢(浅丘ルリ子)の推理では「自分が紫綬褒章を取れていない嫉妬からだ」という。
ここから紫綬褒章に嫉妬している、していないの言い争いになるのだが、実際に八千草薫と浅丘ルリ子は紫綬褒章をもらっているが、加賀まりこはもらっていないのだ。
加賀自身が紫綬褒章にこだわりを持っているのかどうかは分からないが、「アナタ(褒賞を)持ってたっけぇ〜?」というのは、なかなかハートにザックリ来るセリフだ。ちょっとしたスキにも、出演者の心をえぐるエピソードをぶち込んでくる倉本聰、恐るべし。
ちなみに、倉本聰はバッチリ紫綬褒章をもらっているが、石坂浩二はもらっていない……。
そこで「紫綬褒章くらい断捨離してもいいじゃない」という話にはならず、「紫綬褒章のような貴重な物を捨てるなんてとんでもない!」と周囲が右往左往する展開にするあたりもいやらしい!