やはり『やすらぎの郷』のヒロインは姫!
姫は、過剰すぎる断捨離を進めるだけではなく、ライブラリーにこもって大昔の自分が出演した映画のフィルムを何時間も見返していたりと、どうもおかしな行動が目立っているようだ。自分の死期を悟ったからなのか、認知症がはじまったからなのか……?
そんなある日、姫が真夜中の浜辺を歌を歌いながら徘徊し、自分の着物をビリビリに切り裂くという奇行を起こす。
以前、及川しのぶ(有馬稲子)の認知症が悪化して、歌いながら海に入っていったシーンが印象的だったが、「やすらぎの郷」の老人たちは、認知症がはじまると歌いながら海に行くものなのか……?
そんなイメージもあり、姫も認知症が発症したフラグだと思っていたのだが、まさか「ガンが脳まで転移している」というヘビーな症状だったとは。
老人ホームが舞台のドラマということで、いずれメインキャストの誰かの死は描かれるであろうことは予想していたが、いざこういう展開になってくるとツラい。
放送も残り1か月となった『やすらぎの郷』。姫とのお別れという、悲しい結末じゃないといいのだが。
それにしても、海を徘徊する姫、星空の下、担架で運ばれていく姫と、すんごく幻想的で美しいシーンが続き、やっぱり倉本聰の中で姫……というか八千草薫は思い切り神聖化しされているんだなぁと思わされた。『やすらぎの郷』のヒロインは姫なのだ。
そんな姫の病状も気になるところだが、第22週予告での菊村とアザミのキスシーン(?)に完全に心を奪われてしまった。年齢差、約60歳! 終盤にきて、本当にすごい展開が続きすぎだよ!
(イラストと文/北村ヂン)