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「性とお金で愛を買おうとしていた」 シングルマザーが語る孤独な出産


子どもの体温で目が覚めた


産んだ瞬間、触った時の子どもには体温があった。その温度で「目が覚めた」のだと彼女はいう。
産声を上げさせなければいけない。泣かせなければ子どもが死んでしまう。衝動に突き動かされ、妊娠中は「一緒に死のう」と決めていた命を生かすために、彼女は子どもを泣かせた。その泣き声に気づいてきた母が部屋に入ってきて処置をしてくれた。

「育てる覚悟なんてしていなかったので、入院してからは泣き通しでしたし、はじめのうちはずっと鬱状態の中で育児をしていました。巡り合わせがほんの少し違えば、自分もニュースになるようなことをしていたと思います」

そうならなかったのは、母をはじめとする家族の助けがあったからだという。子どもの為に事情を話し、頭を下げて助けを求めると、家族は惜しまずに力を貸してくれた。「自分は母から愛されていないのではないのかもしれない」幼い頃に感じたその不安が杞憂であったことを、自分が親の立場になってようやく理解した。今は鬱状態からも脱し、親の自覚も育てる覚悟もある。未婚の母という立場に対して、世間からは依然、心無い声が多く寄せられるが、それでも子どもが生まれたことによって、Tさんの人生は大きく好転した。

「自分は愛される価値がない。愛されたいという飢餓感がずっとありましたが、その点では親になってから明らかに変わりました。『この子には私しかいない』という責任感が存在意義を感じさせてくれますし、何より自分から愛情を向けることで満たされている感覚があります」

自分は他者から愛されない。誰かに愛されたい。そんな悩みをいだき続けた彼女は、親になり、自分から愛情を向ける対象を得たことではじめて満たされた。

子どもも今や4歳。
「最近は喜怒哀楽がはっきりして、口も達者になってきたんですよ」
我が子の成長について、Tさんは紛れもない母親の顔で誇らしげに語った。
(辺川銀)
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