『けもフレ』騒動でコラボ企業に飛び火! 不買宣言などファンが過激化する異常事態
日清食品「どん兵衛」×『けものフレンズ』コラボサイトより

大人気アニメ『けものフレンズ』のたつき監督降板騒動が続いている。製作委員会側と、たつき監督を擁するアニメ制作会社・ヤオヨロズ側の言い分が真っ向からぶつかり合う中、なぜか『けものフレンズ』とコラボした企業・団体にまで騒動が飛び火している。


原因不明の監督降板


たつき監督は9月25日にTwitterで、「突然ですが、けものフレンズのアニメから外れる事になりました。ざっくりカドカワさん方面よりのお達しみたいです。すみません、僕もとても残念です」とツイート。

しかし、『けものフレンズ』公式サイトは9月27日、製作委員会「けものフレンズプロジェクトA」名義で報告文を掲出。それによると、アニメ制作を担当していたヤオヨロズに「関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用」があり、情報の事前共有を求めたところ、ヤオヨロズから「条件は受け入れられないので辞退したい」との回答があったとのこと。両サイドの主張は真っ向から食い違っている。

日清食品とJRAに問い合わせ殺到


気になるのは、製作委員会が、8月に入った段階でヤオヨロズから辞退の申し入れがあったと伝えているところだ。しかし、9月19日に日清食品「どん兵衛」と『けものフレンズ』のコラボ動画が公開されたばかりで、その際たつき監督も「作らせていただきましたー」とツイートしていたのだ。
他にも8月8日には、JRAとのコラボ映像も公開されている。8月に辞退申し入れがあったということは、これらの映像はどのような経緯で生まれたものなのか?

多くのファンが問い合わせた結果、コラボ先までもが降板騒動にコメントする異例の事態となった。「どん兵衛」は『けものフレンズ』とのコラボサイトにて、「同動画は2017年6月の企画段階から『けものフレンズプロジェクト』と連携の上、制作したものであり、許諾を得た動画です」と明言。その上で、「『けものフレンズ』新規映像化プロジェクトの制作体制変更に関しては、弊社としては事前に知りえない情報であり、関与できる立場でもございません」と強調している。

また、JRAも『けものフレンズ』とのコラボサイトにて、「本サイトは『けものフレンズ』に関する正規のライセンス窓口である株式会社KADOKAWAを通じて、17年3月の企画段階から『けものフレンズプロジェクト』の許諾を得て制作したものです」とアナウンスしている。


コラボ先の不買を宣言するファンも


「動画の制作経緯について多くのファンが問い合わせた結果」と先述したが、実はネット上では、たつき監督続投のために意図的にコラボ先に問い合わせする動きもあった。
純粋に「自分が企画を応援し続けるかどうかの判断の参考にしたいので、この映像が制作された経緯を知りたい」という感情で問い合わせたというよりも、騒動を大きくするためにあえてコラボ先まで飛び火させようとしているのだ。なんとコラボ先商品の不買を宣言するファンまで現れている。

抗議したい企業そのものではなく、スポンサー企業やコラボ企業にダメージを与えることで意見を通そうとする方法は、花王不買運動の広がり以来、すっかりネット上で定番化した。とはいえ、このやり方に反対を唱える意見も少なくない。ネット上では、たつき監督続投のためコラボ先にまで飛び火させようとする動きに対して、「正気の沙汰じゃない」「迷惑かけすぎ」「害悪」といった厳しい声も上がっている。

抗議者としては、こうでもしないと意見が黙殺されてしまうと言いたいのだろうが……。
降板の舞台裏がいまだ不明な現在、ファンたちの“何かしたい”という気持ちは、適切な行き場が見えないまま過激化だけが進んでいるようだ。

(HEW)