清水良太郎は2017年2月にも、違法カジノ店への出入りが『FRIDAY』に報じられ謹慎していた。
息子の逮捕を受け、清水アキラは謝罪会見を開いた。
会見では「ばかやろうと言って突き放したいですけど家族ですから…」「何かあればひっぱたいたりしていたんで、それが逆に嘘つきになっちゃったんでしょうかね」と語り、号泣する場面が見られた。親としての悔しさ、怒り、不甲斐なさが入り交じった悲しい涙と言える。
そんな清水アキラは90年代にも人前で号泣している。レギュラー出演していた『ものまね王座決定戦』(フジテレビ系)での一コマだ。
清水アキラの「セロテープ芸」
この番組には“ものまね四天王”と呼ばれるタレントたちがいた。栗田貫一、ビジーフォー(モト冬樹とグッチ裕三)、コロッケ、そして清水アキラである。
栗田とビジーフォーがじっくりと歌を聞かせる安定の実力派である一方、コロッケと清水は顔芸などで笑わせるネタ重視のお笑い担当であった。
清水アキラの代表的なネタは、顔面にセロテープを貼り付け、芸能人の顔に似せる「セロテープ芸」。豚鼻を強調された谷村新司や研ナオコなど、まさにやりたい放題だった。
清水アキラの"天敵"とは
そんな彼には"天敵"といえる存在がいた。審査員席に座る歌手の淡谷のり子である。
戦前からブルースの歌い手として名を馳せ、番組出演時は80歳を超える重鎮であり、出演者たちからは「淡谷先生」と呼ばれ親しまれていた。
清水のネタに、淡谷が苦い顔をしながら「下品」「歌が下手」といった厳しい評価を下すのが恒例となっていた。
しかし、そんな淡谷が清水を認めた回がある。清水が下ネタを封印し、研ナオコのバラードをしっかりと歌い上げたネタに対して、淡谷は「真面目にやればできるじゃないの」と暖かい言葉を向けた。
まさかの展開に清水は驚き、その場で嬉し涙を流したのだ。
1999年に淡谷が92歳で亡くなった時には、清水は真っ先に花輪を出し「唯一叱ってくれる人だった」と故人を悼んだ。清水良太郎にもそうした存在が必要であっただろう。
※文中の画像はamazonよりものまね四天王 清水アキラ [DVD]