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『蔵書の苦しみ』ってわりにずいぶん楽しそうだな。1冊が5冊になり5冊が10冊になり古本地獄へようこそ

棚から本が溢れていく


最初は1冊なのだ。たったの1冊。漫画でも、小説でも、図鑑でも、なんでもいい。ふと書店で見かけた本に興味が向いて、1冊買ってくる。ひとしきり読み終えて、ああおもしろかった、と部屋の隅に置く。

次は何を読もう。同じ作家の別の作品を読んでみようか。あるいは同じ題材を描いた類書を探してみるか。そういえば先週あたり有名な文学賞が決まったとニュースでやっていた。その人の本を読んでみるのもいいかもしれない。

そうやって読書の幅は広がっていく。1冊が5冊になり、5冊が10冊になる。はじめのうちはCDラックの横に積んでおいた本が、いつのまにか高さを増し始める。横に積み、縦に並べ、上方へ、左右へと、幅をひろげていく。そしていつしか本は本棚から溢れ出す。「溢」という字はそんな様子を実によく表してますな。

それでも、読書欲に突き動かされて新刊書を買っているうちは、溢れるといってもタカが知れている。読むために買っているのだから、増殖するペースはそう早くない。ところが、これが古本となると話は変わってくる。

どうしてそうなるのかわからないのだが、古本に手を出す人は読みもしない本を買う。いや、買うときは読むつもりでいるのだ。なのに買うペースがあまりに速すぎるために、とても読んでなんかいられない。その結果、すごい勢いで本が増え、棚から本が溢れていく。

本棚ひとつが埋まる。あわててもう1台増設する。窓のない壁はすべて本棚になる。書庫の誕生(略してしょこたん)だ。本棚に収めきれなくなった本は、床に積み上げられる。やがて足の踏み場がなくなる。さあ、部屋から本が溢れ出すのと、床が抜け落ちるの、どっちが早いでしょう?
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